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中央式太極拳は南京中央国術館副館長【陳冸嶺老師】により編纂された南京中央国術館正宗太極拳
を起源とする、古式総合太極拳です。
気の武術の奥義は、これ即ち 健康長寿の奥義。
今日、太極拳の医学的健康効果は多くの医学論文で実証されてます。
先ずは気を感じる事から始め、自身の免疫力、自然治癒力を高めましょう。

2015年7月10日金曜日

笑顔と高齢者

8日午後10時20分ごろ、大阪市淀川区の阪急京都線南方駅近くの踏切から乗用車が線路内に入り、京都方面に1駅分、約1・3キロ走行した。
淀川署は9日、往来危険容疑で、運転していた愛知県安城市の無職増井弘道容疑者(73)を逮捕した。淀川署によると、電車との接触はなく、けが人はいなかった。
増井容疑者は、容疑を認めている。

 淀川署によると、南方駅近くで駐車違反の取り締まりをしていた警察官が、8日午後10時20分すぎに
「ガタガタガタ」と大きな音をたてながら線路を走る車を発見。約20分後、緊急配備を敷き警戒していた警察官が南方駅から北東に約2キロ離れた東淀川区淡路3丁目の路上で、増井容疑者の車を発見し停止させた。
増井容疑者は「道に迷って入り込んでしまいました。そのまま走ってしまいました」と話したため、事情を聴いていた。線路に接触したため車の底部が損傷し、エンジンオイルが漏れていた。

 淀川署によると、増井容疑者は「どこから線路に入って、どれくらい走ったのか覚えていない」と供述。
愛知県から大阪に来た理由も「友人に会いに来た。(友人の)住所や名前も分からない」と話しているという。

http://www.nikkansports.com/general/news/1504523.html

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奇跡的にけが人も出ず、一安心ですが・・・。

>「どこから線路に入って、どれくらい走ったのか覚えていない」
>愛知県から大阪に来た理由も「友人に会いに来た。(友人の)住所や名前も分からない」と話しているという。

名も知らぬ友を求めて大阪で、あてもなく夜の街を走るという・・・。

火花を散らしながら線路を疾走していたみたいで、言動とも相まって
なんだか未来から来た人っぽいですね。




・・・冗談ごとではありません。
これがもし反対車線だったらとんでもない大惨事になってたことはいうまでなく、
なにしろ2つも列車とすれ違ってたわけですし。


この手合いは巻き込み型の人災の典型と云えなくもないです。
そういう意味では高速道路逆走も高齢者ドライバーが多く、免許の返納も現実問題として考える
必要があるかもしれません。
もっとも、返納した事実を忘れてしまうという可能性もゼロではないわけで・・・・。






そういった高齢者におけるひとつの特徴として。
目線が硬くて動きが悪い。笑顔が少ない。固い表情をしている。
・・・といった兆候があります。



人間は脳の機能が落ちてしまうと、顔の表情から笑顔が消えるようです。
人間の笑顔とは、脳の正常な働きの上で発生する、神様からのギフトなのかも知れません。

顔の表情も、顎を動かし噛み砕く原始的な筋肉の上に表情を司る筋肉が覆いかぶさっている形になっています。
もっとも外側に位置しているわけです。
「外面を気にしなくなる」ということは、表情、特に笑顔の放棄といえなくもありません。


眼球自体はそれこそ脳神経の延長であり、もっとも外部に接触している部分です。
眼球を動かす筋肉も微細で微妙な働きを持っています。
眼は口ほどにものを言うというくらいですから、その働きは大きいです。
笑顔が消え固い表情になり、目線が一点を見つめたようになってしまう・・・
固いか、険しい貌(かお)になってしまうのです。

気の通っていない感じはありますね。


壊れいく自我と、顕れる本性。
自我が消え失せたところに残るものが本性ならば・・・、
それが「思いやり」「慈愛」であるかどうかは残念ながら本人次第ということになります。



ご高齢であり、ご多忙の極みではありますが、
今上天皇陛下の御顔などはまさに尊い「翁」の相です。
この世で労苦を、明るく消化した人は、生きながらに良い顔相に変化して行くそうです。


なによりも「笑顔」を心がけることが大事ですね。
ただ、一口に笑顔と云っても柔和な微笑みから自分勝手な笑み、
上品な笑いもあれば下品な笑いもある。
人を不快にさせてしまうようなものまでいろいろあります。




「笑みをたたえる」というように、
まるできれいな泉のように、慈愛を満たした結果の笑み。
無為で、自ずからこんこんと湧き出る笑み。



太極拳の練習の最中も、まさか笑顔というわけにはいきませんが、
柔らかい表情を心がけるのが吉でしょうね。


また、お互いに技をゆっくりかけて、かけられた方が思わず「笑みがこぼれて」しまう
ような技は完成度が高いのです。不思議ですね。







釈迦から見て、その笑顔があまりにも素晴らしく、
釈迦は、その摩訶迦葉(マハーカッサパ)の笑顔に、
大悟に至った者の姿、すべてを知り得る者の表情を感じ取り、
摩訶迦葉に正法眼蔵(仏法の本性)を伝えると決めた、のだろう。


決めたのではあるが、既にもう伝え終わっていた、のである。
以心伝心である。


2015年7月8日水曜日

プライベート型スポーツ


「コミュニケーション型」から「プライベート型」へ


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「お一人様スポーツ」人気の理由は…スポーツに関する調査「日常のスポーツ意識・行動編」
2015/07/03


ゴールドウインは、スポーツを楽しむサラリーマン・OLのスポーツへの意識と実態について第2回調査を行い、結果を発表した。対象は、現在スポーツを行っている会社員で、20代から50代以上の男女480名(予備調査2,883名より抽出)。

第2回調査「日常のスポーツ意識・行動編」では、サラリーマンやOLが前回調査に引き続き健康志向が強く、頻繁にスポーツを行っていることがわかった。月の費用平均は6,906円。また、一人で行う傾向が強まっている。第1回調査は、2013年7月に実施。

サラリーマン・OLがスポーツに取り組む目的を尋ねたところ、70.6%が「健康のため」と回答。健康志向が高いことが読み取れる。スポーツはチームや仲間というイメージが強いが、スポーツを誰としているのかという問いでは、50.0%がスポーツをするのは「一人が多い」と答えている。多くの人が一人で、黙々とスポーツに取り組んでいるようだ。

今、行っているスポーツでは、47.1%の「ウォーキング」がトップ。次いで「ランニング・ジョギング」が37.7%とラン系が上位を占めた。3位以降は、「筋力トレーニング」21.0%、「体操・ストレッチ」18.1%と、一人で取り組むスポーツに人気が集まっている。

今、行っているスポーツをはじめた時期を尋ねると、「就職してから」が63.1%とトップとなった。就職してから今やっているスポーツをはじめたという回答者に、スポーツの効果について聞くと、42.2%がそのスポーツにより「健康になったと思う」と回答。「やせた」という回答者も29.0%を占め、スポーツの健康効果を実感している人が多いようだ。

今後やってみたい・続けたいスポーツでは、女性の各世代で「ヨガ・ピラティス」が人気となった。「登山・トレッキング」は、男性20-30代や女性20代で上位にランクインしている。


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「お一人様スポーツ」ということで、人との「馴れ合い」を求めない傾向があると思います。
簡単に言えば、おしゃべりや出会いを楽しむよりはプライベートや目標を優先するということですね。

コミュニケーションを求めるというよりも、あくまで自分の(目標の)ため。
またゴルフのように「社用スポーツ」でもなく、日曜野球やフットサルのように「サークルスポーツ」でもない。
基本は単独で行い、仲間、時と場合の自由選択性が高いチョイスとも言えますね。
ディスコミュニケーションというわけでもなく、あくまでも自由選択の範囲内、ということでしょう。

CMや芸能人で話題になった「ラ○ザップ」はプライベート+目標の複合型でしょうか。
プライベートレッスンで、短期間で、ストイックに目標体重・体型へとアプローチする。
オーダーメイド的かもしれません。



このようにプライベート重視と云うことは自己が発信基地となるわけで、
さらに「スポーツ」に欠かせないもの・・・・として、やはりファッションが上げられるでしょう。



Sports×Fashion 新スタイルマガジン登場ということで、

『スポーツとおしゃれを自然体で楽しむ
 気持ちのいいライフスタイルを提案します。』


LAやハワイの青空の下、あるいは東京やNYの公園でスポーツを楽しむ、カラフルでファッショナブル、キュートで健康的な女性像です。
思わず真似したくなる実践的なスポーツファッションはもちろん、日常に取り入れやすい“スポーツミックス”の着こなしに注目。

・・・ということで、「hb humming birds 」という雑誌が今年の3月に創刊されました。
Vol.02が6/27に発売されたようです。
https://hb-web.jp/




太極拳は「武術」なので、厳密にはスポーツとは趣きを異にするものです。
そういう意味では「ヨガ」も本来的には行法であり、スポーツではありませんね。
どちらも数字にも順位にもこだわりません。

心にも体にも力みが無い「自然体」であることを追及します。
そして自身の肉体と「内在するもの」を探し、感じ、一体化を試みます。

ヨガでいうと「アートマン(真我)」でしょうが、
太極拳でいうともう少し世俗的で、どんな状態でもビビらない状態ってことでしょうかね。


武術だから敵をやっつけるんじゃないの?
と思われるでしょうが、「敵」という概念はミクロな関係性に埋没した人の言葉。
そこからもう一歩、大きな視点を持つことが自然体にもつながってきます。


2015年7月5日日曜日

四連撃

[半夏生]も過ぎ、ほどなく[小暑]になろうとしています。
雨の多い時期ですね。


易的にいえば、「夏」というのは今まさにその真っ最中であって、
8月の「夏」というのはもはや下り坂の「夏」なんですね。

今月は満月が二回もある「Blue Moon」。
月頭には(特に7/1)金星と木星が大接近するというレアな現象。

もちろん潮周りの動き方もダイナミックです。

わりに、気温がググッと上がらないのがちと気にはなりますが・・・。


ハンゲ(半夏)
別名:カラスビシャク


さて、そこそこ有名な話。
某所からのコピペです。



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853 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/02(火)22:03:48 ID:gslW9mbZE

仕事の付き合いで帰りが遅くなるって連絡してきた嫁が
泣きながら
「上司にホテルに連れ込まれそうになった」って電話してきた時が最近で一番の修羅場だった。















「このままでは嫁が犯罪者になってしまう!!」って思って。

慌てて現場行ったら、案の定上司とやらが肋骨3本と顎を叩き割られて、路地裏で動かなくなってた。
剣道有段者の俺でも、獲物がないと太刀打ちできない空手の猛者に何て無謀な真似を…

お巡りさんは厳重注意だけで済ましてくれました。
どうやったのかお巡りさんに聞かれて実演してたけど、それは見事な四連撃でした。
お巡りさんに「えげつない…」と言われて、ちょっと涙目になってた嫁が可愛かった。


854 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/02(火)22:51:06 ID:hivYKAJGk

これは全身全霊を込めて「ざまぁwww」だが
立場利用した連れ込みは腕力や胆力がない女性だと抗いきれないよね。
このレ○プ未遂上司のその後が気になる。


855 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/02(火)23:04:39 ID:MO54EX2rv

>>853
夫婦喧嘩が壮絶そうだな
嫁さんかっけぇ


857 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)00:13:08 ID:v2mtdOUnF

>>853
嫁が犯罪者って心配の仕方なんなの。と、思ったらそういう意味か
上司はお気の毒だが、まぁ自業自得だわな…でも、顎かち割らんでもよかろうにw
上司も気になるけど嫁さん、そのあと会社どうしたの?


859 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)00:55:32 ID:4CwxRP3pA

>>853だけど、上司は警察沙汰になったんで当然奥さんにもバレて大変だったみたい。
嫁の勤め先は、実を言うと社長が俺の元同僚(辞めて独立した)で、
嫁も悪い言い方すると俺のコネ入社なんだよね。そんな大きい会社ではないんだけど。
それで大層謝罪を受けて、結局クビになった。
何か他の女子社員にも同じ事してたらしい。
元上司の奥さんに「いっそ殺してくれればすっきりしたのに」と言われたよ。

何かタクシー降りたらホテル前で、いきなり左肩抱かれて
「大人ならわかるでしょ?」みたいな事を言われたらしくて、
そのまま左手を掴んで外へ引っ張ると同時に右肘を鳩尾へ。
そこから180度回転して左フックを肝臓へ。その時点で右は腰の辺りで溜め。
更に鳩尾へ中段正拳突き。
前に崩れ落ちる顎に右膝で、ちゃんと残心もしてた。
「あ、やっぱちゃんとするんだ」って思っておかしかったw

>>855
人が見るとコントみたいに見えるらしい。
小太刀サイズの袋竹刀を正眼で構える俺と、対武器用らしい前羽の構えってので間合いを詰めようとする嫁。
喧嘩の理由は凄く些細な事なのに、下手すると命がけだよw


860 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)01:12:39 ID:4CwxRP3pA

>>857
あ、嫁さんは会社では当然何のお咎めもなかったよ。
エロ上司を撃退してくれたって、同僚とか若い子から凄くちやほやされてるらしい。
でも、猛者だとバレたのがちょっと悲しかったと言っていた。
見た目小さくて華奢なんで、大人しい子の振りしてたんだとw
細いけど、筋肉でパツンパツンの癖に。


861 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)01:31:29 ID:uk4xDmTK3

いい嫁を持ったじゃないか 
こら浮気とかしたら    ゲラゲラ


862 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)03:54:42 ID:yf7czrpbH

「動かなくなってた」って普通,もうこの世にいなくなった場合だよね。
生きるのを止め、命を失い、安らかに眠り、お陀仏で、ポックリ逝き、くたばり、死んじまい、息を引き取り、天国のホテルにいってしまったのかと思った。
(Copyright John Cleese, translated by yomoyomo)

四連撃は説明が絵が浮かぶくらい具体的だったのだが、右肘から180度だと右のバックブローでは?
左フックは360度回ってるよね?

格闘技はテレビや映画で見る程度の素人なので、間違ってたら許して。


863 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)04:29:58 ID:wkLVTkoam

>>860
おとなしいから抵抗もしないで泣き寝入りするだろうと思われたのか
絶対に余罪がゴロゴロありそうな奴だね
股間にも一撃食らわして、再起不能にしてやってもよかったな


866 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)09:18:12 ID:4CwxRP3pA

>>862
言われてみればそうだw
「動けなくなってた」だよね。
顎割られて痛くて気絶も出来なかったらしいよ。
フックは上から見て6→9(出っ張りが左手)だから180度かなと思ったんだけど違うかな。

>>861
本気で殺されてしまうwww
でも夫婦仲は良いから大丈夫だと思…うw
夫婦喧嘩の理由も(俺が在宅仕事なんで毎朝見送る時)
「今朝行ってらっしゃいのチューしてくれなかった」とかそんなのだし。
と、最後に惚気でおくw

>>863
実際、名乗り出た子が何人かいたらしい。
でも「急所攻撃は本当に殺ってしまう可能性があるので使わない、滅多に」と言っていた。

それじゃ、いつまでもいたら申し訳ないのでこれにて!
聞いてくれてありがとう。


867 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)11:29:56 ID:l9VuWP93x

>>866
奥様は武田梨奈さんのような人なのですね



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不意を突いたとはいえ、きちんと崩してからの肘。しかも鳩尾。
そこからの3連撃。しかも全部急所。

おそろしいやらすごいやら・・・・!





7月第一週目は套路の後、初級者の体験を含めた八卦掌グループと
技法研究グループに分かれて練習しました。
技法研究では手刀をやったのですが、
A先生相手に何度かやってみて手ごたえを感じたらしく、

姉弟子が自分の手を見ながら、

( `・ω・)ノ☆キラリ  「手で 人、斬れるんやなぁ~~」


・・・と、しみじみ言っていたのだが大変印象的でした(笑)。


そのうち足刀手刀4連撃がさく裂しそうですwww


2015年7月2日木曜日

杖術と太極拳 近代~現代への流れ

先のブログでは「神道夢想流杖術と中央式太極拳には関係性がある」と大仰に書きました。


はたして、日本の古武術と太極拳に何の関係が・・・・?



それは、日本に初めて太極拳・八卦掌・形意拳がもたらされたことに関係するのです。
「玄洋社」総帥・頭山満(旧福岡藩士)の息子であり、「全日本杖道連盟」の会長でもあった頭山泉氏が
台湾・国民党政府に王樹金老師の招聘をはたらきかけたのです。
それに応じた蒋介石により文化特使として王樹金老師は派遣され、こうして日本に
中国武術としての「太極拳」がもたらされました。それが1958年のことです。


※玄洋社:1881-1946 旧福岡藩(黒田藩)士が中心となって、1881年(明治14年)に
結成された西洋列強に対抗する大アジア主義を抱く政治団体。
玄洋社の社則の条項は「皇室を敬戴すべし」「本国を愛重すべし」「人民の権利を固守すべし」
輩出した人物として中村天風(日本初のヨーガ行者)がおり、また頭山満は植芝盛平(合気道開祖)や
出口王仁三郎(大本教)らと大陸にも渡っている。
かつて少林寺拳法を創始した宗道臣(中野理男)も居候していたことがあるし、「姿三四郎」のモデルである
西郷四郎も講道館を脱した後、玄洋社の周辺でジャーナリズム活動に身を投じている。
ちなみに「心身統一合気道」の藤平光一(1920~2011)は植芝盛平と中村天風の両者の教えを受けている。
植芝が存命中に合気道十段を許された唯一の人物。




夢想権之助(生没年不詳)を流祖とする「神道夢想流杖術」は旧福岡藩(黒田藩)でよく伝えられ、
明治以降に全国に広められます。
逮捕術の警杖術技は神道夢想流杖術がもととなっています。


1600年。関ヶ原の合戦。宮本武蔵は西軍として宇喜多陣営にて参戦(?)。

1606年。福岡藩初代藩主・黒田長政により福岡城が完成。
1617年ごろ。姫路滞在中の宮本武蔵と夢想権之助が試合したと云われている。
1638年。島原の乱。小倉藩小笠原氏の後見として宮本武蔵、出陣。投石により負傷。
また、この頃、宝蔵院流高田派の流祖・高田又兵衛と試合。
1645年。新免武蔵守 藤原玄信こと宮本武蔵が逝去。

1646年。沢庵宗彭が逝去。当時の代表的禅僧でもあり、また柳生宗矩の求めに応じて「剣禅一如」を説く。
この境地を記した「不動智神妙録」は禅を以て武道の極意を説いた最初の書物であり、
武術から武道への流れを開く端緒のひとつになり、江戸期を含めて後世の日本武道においての影響は大きい。
ちなみに、宮本武蔵との交流は、史実においては確認できていない。

同年 柳生宗矩が逝去。将軍家指南役として剣豪から大名にまで上り詰めた唯一の人物。
父は柳生石舟斎。息子に柳生十兵衛三厳。
平時における新しい兵法思想を展開し、ある意味において「人格形成のための社会教育化」の
発端ともいえる。後世への日本武道への影響は計り知れない。




1840年。アヘン戦争勃発(清国と大英帝国)

1871年(明治4年)廃藩置県。
同年、清国との修好条規を天津で調印(日清通商条約)。

1881年(明治14年)旧福岡藩士らが中心となり「玄洋社」結成。



1882年(明治15年)董海川(とうはいせん)逝去。清朝・紫禁城の宦官で、八卦掌の創始者。
八卦掌の門派は甚だ多く、董海川の元に集まった各地の達人たちに対して、各達人がそれまで学んできた
武術にあわせて教授した点が挙げられる。

ちなみに王樹金老師はひ孫弟子にあたる。


1899年(明治32年)清国で義和団蜂起。
1905年(明治38年)王樹金老師、河北省天津で誕生。
1912年(明治45年/大正元年) 南京で「中華民国臨時政府」が成立。

1928年(昭和3年) 南京中央国術館が設立。

もともと中央式太極拳は「南京中央国術館式太極拳(あるいは双辺太極拳)」として
中華民国政府の命により南京中央国術館(1928~1949)で編纂されました。
西洋列強や日本との戦争により、軍の強化と国民のアイデンティティの拠り所として、
中国武術は「国術」として重視されるようになっていきます。
中国武術の全国的統一組織として、「国術」の研究と優れた武術家の養成のために設立されました。


その系統を「古伝統合型太極拳」とも呼ぶように、楊家太極拳をベースに
他の太極拳や形意拳などの中国武術の粋を統合して完成したものです。
当時の副館長であった陳泮嶺(1892~1967)を中心に著名な武術家が集まって研究された成果です。


1944年(昭和19年)玄洋社総帥・頭山満、逝去。
1946年(昭和21年)日本の敗戦にともない、GHQにより「玄洋社」解散。

その一方で、第二次世界大戦後、大陸の覇権を争う「国共内戦」が勃発。
先の大戦で日本と戦っていた国民党軍は疲弊しており、共産党軍により、
1949年、蒋介石の国民党は台湾に撤退。その時、多くの様々な武術家や文化人も台湾に渡りました。

同年10月、こうして大陸に「中華人民共和国」が建国。
日本では湯川秀樹がノーベル物理学賞を日本人として初めて受賞。

また、同年5月30、31日に発生した東京都公安条例制定反対デモの取締りに警視庁予備隊が
初めて警杖を持って出動し、65名を検束。
警杖は敗戦後の武装解除で丸腰に近い状態になっていた警察官にとって唯一の武器でした。
ただ、GHQの指示で採用されていた新警棒を使わなかったので、後で相当のお叱りを受けたそうです。

1950年(昭和25年)朝鮮戦争勃発。

1952年(昭和27年)日米地位協定締結。
そして、日米の平和条約が発効されたことにより日本の主権が回復。
同年、日華平和条約(日台平和条約)締結。


朝鮮戦争の関係もあり、アメリカが台湾の中華民国政府(蒋介石)を承認・支援し、
1954年(昭和29年)12月に「米華相互防衛条約」を締結。
この頃、世界ツアーで台湾に来ていた米国のヘビー級ボクシング王者「ジョー・ルイス」の
挑戦に応じたところ、ルイスは王樹金老師にパンチの一撃を浴びせたが、
老師が微動だにしないことに驚き、対戦を取りやめたといいます。


1956年(昭和31年)中華人民共和国で「制定拳簡化24式」が制定。
国家体育運動委員会を通じて社会に寄与する健康体操として制定・普及が図られたものであるが、
新生中国の社会主義建設のための、労働意欲・学習意欲向上と労働者・学生の健康福祉を目的にして
各職場や学校で奨励されたものであることを知って学んでいる人は少ないと思われる。

同年、「第一回世界柔道選手権大会」が東京で開催。
その頃日本では既に戦後のGHQ管轄下を脱し、「日本精神を形づくるものだから」という理由で
規制されていた武術・武道も多くの武術家・政治家の働きにより復興していました。
GHQの武道教育禁止に対して小野派一刀流16代目宗家・笹森順三らが
撤廃と伝統武術・武道の復興説得を続け、「日本武道の何たるか」を証明するため、
「今武蔵」とも呼ばれた鹿島神流18代宗家・国井善弥と米国海兵隊銃剣術教官との試合は有名です。


昭和30年当時の「全日本杖道連盟」の会長は頭山泉氏でした。
先にも書きましたが、頭山泉氏は全日本杖道連盟の前身である「大日本杖道会」の会長であり、
玄洋社・頭山満の御子息です。


1956年(昭和31年)「神道夢想流杖術」が「全日本剣道連盟(全剣連)」に加盟。
全剣連は剣道、居合道、杖道を「三道」として普及する方針を打ち出しました。
全剣連への加入については、頭山泉会長は反対でしたが、清水隆次師範の強い希望により実現。
ちょうど入れ替わりに「なぎなた」が全剣連から独立し、「なぎなた連盟」を設立。



そして、
1958年(昭和33年)に国民党・蒋介石の要請を受けた王樹金老師が渡日。
それ以降合計21回来日し、中国武術の教授を行いました。

1960年(昭和35年) 全日本杖道連盟主催の演武大会に特別演武枠として王樹金老師が出席。




1966年(昭和41年) 中華人民共和国で「文革」開始。
武術方面に限って言えば、陳家太極拳の嫡流は獄死します。
その他の武術家も殺されないまでも海外に逃亡したり隠遁したり、多くの文化は壊滅状態になります。

有名な話として、「金魚」の名産地・養殖池まですべて壊すという徹底ぶり。
珍しい金魚の血統やノウハウまで喪失してしまい、世界一の座を自ら降りたことになりますが、
後年日本の技術を逆輸入してそれなりに復興はしているようです。


1969年(昭和44年)植芝盛平、逝去。


1970年(昭和45年)国際剣道連盟設立&第一回世界剣道選手権大会開催。
この時、優勝は日本でしたが、準優勝はなんと中華民国(台湾)。
※「中華民国」の称は1971年まで使われていました。


1972年(昭和47年) 日中国交正常化。
以降、「簡化24式」が日本にもたらされます。

1973年12月。「燃えよ!ドラゴン」が日本で初上映。ブルース・リーは同年7月に逝去していました。
(カンフーブーム到来)

1980年(昭和55年) 「ひらけ!ポンキッキ」で「カンフーレディー」が放送。
作詞:三輪道彦 作曲・編曲:小山田暁、
歌:高田とも子・コスモス。
映像で演武している男性は中国武術研究家の松田隆智(1938~2013)。
女性は子役タレントで歌も担当した高田とも子。

この時、まだ日本では公開されていなかった中国武術の套路を楽曲に合わせた演武映像にて一般公開。

当時、「簡化24式」等により「太極拳は武術から生まれた健康法である」とする認識が一般的であったが、
松田の著書によって種々の太極拳のルーツの一つである「陳家太極拳」が健康法ではなく
武術として台湾において伝承されていることをメディアを通じて明らかにした。


1981年(昭和56年)。王樹金老師、逝去。

1985年(昭和60年)に「国際杖道連盟」と「全日本杖道連盟」を再び立ち上げ。
かつての会長であった頭山泉氏は高齢を理由に会長就任を固辞し、初代会長はあの安部晋太郎氏。
その後、二代目会長は三塚博氏。そして現在は三代目の安部晋三氏となっています。




2012年(平成24年)「第一回中央式太極拳総合演武大会」開催。


2015年(平成27年)「第二十一回西日本古武道大会」開催。
・・・に私が見学に行ったというところで、先のブログに続きます。




少々強引ではございましたが、
「因縁生起」ということで過去から今この現在にまで受け継がれているということを表現するには、
当時の時代背景を無視することもできず、太極拳と杖術(日本武道)に関連するもの、
しかもできるだけ知名度の高い人物、事件、言葉に絞りましたが、
ややこしくなってしまったかもしれません。


江戸初期に興り、福岡藩(黒田藩)で伝えられた夢想権之助の杖術の流れは
かくして「王樹金の太極拳」を日本にもたらし、今に至るのであります。





2015年6月29日月曜日

第二十一回古武道大会

「第二十一回 西日本古武道大会」を見てきました。途中からでしたが。

残念ながら「天真正伝香取神道流」を見逃してしまいました。残念です。


日本の歴史と伝統の精髄のひとつともいえる古武道。
武器あるいは徒手の闘争術(兵法)として萌芽し、
江戸期に入って、武士としての心身鍛錬、人間修養の精神性が加わり、
まさにそれぞれが文化遺産として保存と継承され続けています。

「刀剣乱舞」等のメディアミックスにより昨今流行している「日本刀」ですが、
それ単体で工芸作品としての美しさもありますが、
日本刀を遣うための技術体系を合わせて持っての「総合藝術」としての側面もあります。

ただ、古武道と云っても使うのは日本刀だけではありません。
槍や弓、鎌など様々な武器が使用されることは言うまでもありません。



さて、ピックアップして進めてまいりましょう。
毎回、何がお目当てかといえば「筑後柳川立花藩御禁止流楊心流薙刀術」です。
(ちくごやながわたちばなはんおとめりゅうようしんりゅうなぎなたじゅつ)

御禁止流(おとめりゅう)というのは、藩外に持ち出し禁止ということです。


何がスゴイって、振袖着物姿に襷掛けで演武を行うことです。
本来的には御殿女中のための護衛武術であり、いついかなる攻撃を受けても
即座に対処した姿が現在も受け継がれているということです。

(『行住坐臥これ常に戦』ということで、かの「示現流」もラフな平服で稽古が容認されています)


優雅な見た目に寄らず、演武は激しいです。
ガンガン攻めます。


今回は珍しく半棒術を披露していただきまして、なかなか貴重なものを見ることが出来ました。
ここの柔術も見てみたいものですね。


ちなみに「立花藩」というのは、先にも書いた「義将・高橋紹運」の実子で
「立花道雪」の養子である「鎮西一・立花宗茂」が治めた藩でもあります。




お次は「小笠原流 弓馬術」。
今回は木馬からの「騎射」でした。

分類でいえば「重装騎馬弓兵」にあたる武士の本領が弓馬ですね。
おそらくは去勢もしていないであろう荒馬を乗りこなさないといけないし、
英国のロングボウに匹敵する、あの長大な弓も扱わないといけないし、
かなり高等技術です。

奉納演武などで見たことがある人もおられると思いますが、
私は今回が初めてでした。木馬からの騎射とはいえ、迫力がすごいですね。


ゆっくりと(人力で)回転する木馬上から矢を放ちます。
流鏑馬のための修練でもあり、的から的へ矢をつがえて放つタイミングを
習得するようです。
馬上での体勢を取り、右手に鞭をぶら下げた状態で矢を取出し、あの長い弓に番えるだけでも
たいへんだと思います。

その際、「インヨーイ」と声掛けをするのですが、これは宗家の説明によると「陰陽理論」に基づいた
約束事ということで、小笠原教場の礼法・歩射・騎射は、全てが「陰陽道」を軸に成り立っているということです。
神事であり呪(まじなひ)であるということで、なるほど・・・! 勉強になります。

実際は刀以上に霊性は強いんですよね。
鵺は弓矢ですが、酒呑童子は刀です。鬼を切った刀はあっても天狗を切った刀はあまりありません。
時代とともに移り変わっていきます。



そして今回のトリである「神道夢想流杖術」(しんとうむそうりゅうじょうじゅつ)。

パンフの冒頭には、
「宮本武蔵を破るために編み出された武術。それが『神道夢想流杖術』です。」


インパクトは抜群でした。

↓この人を破るため、ですからね。



空手家・愚地独歩と戦う宮本武蔵(「刃牙道」@週刊少年チャンピオン・板垣恵介より)






流祖は夢想権之助勝吉。


実は「バガボンド」(@井上雄彦)にも出ています。
いきがっていたところを伊藤一刀斎&小次郎にやられて押しかけ弟子となり、
無理やり関ヶ原の合戦場に放り込まれて這う這うの体で生き延び、
「先生・・・剣の時代はもう終わったのですね」と語るシーンが印象的です。



「全日本剣道連盟杖道」の制定型のベースでもあり、もっとも日本で普及している
杖術といっても差支えないかと思います。

手の内といいますか、入り身と合わせた自由自在な手幅と握りを駆使し、
すべての間合いで「打ち、突き、巻き、掬い、払い」が繰り出されます。

きちんと対二刀流の演武型もありました。



これは私の勝手なお話ですが、「神道夢想流杖術」、実は中央式太極拳と関係があります。
技法的なことではないですが、とお~~い縁みたいなものですがそれはまたの機会に。




今回の古武道大会も日ごろの修練の成果がよく顕れた大会でありました。
他にもたくさんありましたがちょっと絞らせてもらいました。

この、ピシッとした引き締まった空気。
出入りの所作に礼法。
本当に見習いたいですね。


2015年6月27日土曜日

色覚感覚のチェック

ちょっとお遊びにいかがでしょうか。


意外に周辺視の練習になるかも。
大事なのは感じること。

[あなたの色覚をテスト]
レベル04 コウモリ
レベル09 モグラ
レベル14 イヌ
レベル19 ネコ
レベル24 トラ
レベル29 タカ


http://wvw.igame.com/eye-test/?fbs=30




2015年6月25日木曜日

美しき太極拳女子を応援します-05 補足編

「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」

立っている様子はあたかもシャクヤクの風情があり、座った姿は牡丹の花のように華麗で、
歩く様子はユリの花のように清楚な美しさである・・・・・・と、古い言い回しですね。

いわれには諸説ありますが「女性の姿かたちの美しさ」を例え表した言葉であることには間違いありません。
ちなみにどれも漢方薬です。




色とりどりのシャクヤク
花言葉は「恥じらい」「はにかみ」「謙遜」



今の時代、1番見られているのが「立つ、座る、歩く」などの動作。女性として「美」を追求するとき”立ち振る舞い”がポイントになるのです。つまり、ちょっと遠くからみられた立ち居振る舞いなんです。少し先にいるあなたを一瞬で判断し第一印象が決めるのです。あなたの生活から性格まですべてがうつしだされるのが姿勢となるのです。

なかなかスッパリ言い切ってるなと思って引用してきた文章ですが、やはり「立ち居振る舞い」というのは見られてしまいますし、見てしまいます。
たしかに美女と呼ばれる人で、あからさまな猫背の人はいませんし、超がつく美人でも、言葉遣いが汚く乱暴な人は品性がちょっと・・・とマイナス要素になりがちです。

モデルなんかでもほとんどの人は立ち居振る舞いの「訓練」を受けてきていると思います。
ある程度素質でこなせても、やはり一段上を行くにはそういった訓練を経てきているでしょう。


太極拳と言えば「武」です。
そんな武骨な立ち居振る舞いが役に立つの?とお思いでしょうが、そうではありません。

物理に適い、無駄なく隙なく最小限に、目立たずひそやかに、やさしいけれど芯の力は限りなく強く・・・というように、早い話が「相手に気付かれない動き」を目指します。
「柔よく剛を制す」というように、静かな動きで相手に技を仕掛けるために、結果として、優しく、洗練された立ち居振る舞いになるというわけです。



さて、前回のブログの補足になりますが、脚の気になるところといえば「膝」です。膝の角質や黒ずみはちょっと難しいですが、膝の使い方や体重が掛からないポジションを知るには太極拳はとても役に立ちます。


膝を悪くされている方は女性の方に多いように感じます。それは筋肉の量であったり、骨盤の広さであったり、ヒールのある靴であったり、冷え症であったり、男女差が原因であることは否めません。

そうそう。ヒールの高い靴は否定されがちですが、現代のファッションアイテムとして欠かせないのは間違いありません。
履きこなせると素敵ですしね。
ファッションを追求すると「やせ我慢」という側面があることを否定できません。
なので、後できちんと自分の脚や腰をしっかりケアしてあげれば問題ないと思います。


また、ジョギングやウォーキングでもちょっと無理をすると膝を痛めてしまいがちです。荷重、衝撃、捻りが加わってしまうのである意味当然でしょうが、ケアも入念にする必要がありますね。



ボタンの花
花言葉は「風格」「富貴」「恥じらい」「人見知り」


武術的にも健康的にも、膝の使い方は重要です。

脚には、股関節、膝関節、足関節(足首)の3つの大きな関節があります。それぞれ脚を動かす役目と体重を支える役割の、2つの大切な機能を果たしています。その中でも膝関節は脚の関節の中心的な役割を担っています。


そして、我々は膝を「曲げて伸ばす」それだけにしか感じていませんが、その構造は思う以上に複雑です。脱臼しないように、骨やら筋肉やら腱やら軟骨やらが、回転しながら軸をずらしつつ曲がっていく云々・・・。しかも曲げながら脛も捻ることができるという、「超絶技巧」な構造です。

あまりにも便利すぎるために、ついつい酷使してしまった挙句が膝の不具合になるという・・・。


太極拳では、膝の使い方・無理のない位置や角度を(体で)学びつつ、主動力として股関節を駆使する方法を(体で)学び、足首を緩めるコツを(体で)習得していくことで、健康的な脚(下半身)に仕上げていきます。特に股関節をしっかり緩めて、しっかり使うことで膝の負担も減少します。

緩めるとは余裕を持たせること。
100%使えるけど、80%でセーブするコントロールを身に着けること。


だるまスワイショウ、ペンギン歩き、おいらん歩き、三分間立禅など、名前だけは楽しいメニューが盛りだくさんです。
基本練習をしっかりこなしておけば、型(套路)はあとからついてきます。



先のブログでもちょっと書きましたが、股関節を使うというのは脚が高く上がるとか、開脚ができるとか、そういう「可動域が広い柔軟性」ではありません。
簡単に云うと、骨盤と連携して、脚の外旋・内旋や引き寄せなどができるかどうかです。
見せ技として180度開脚ができればすごいのでしょうが、肝心要の連動やインナーマッスルがしっかり働いてなければ「ふーん」で終わりです。

バレエでいう「グランバットマン」であっても、腰や背中がグンニャリしていたりすればまったく意味がないのと同じことです。


ストレッチでは可動域の柔軟性を養えても、連動や細かい筋肉にまで意識をいきわたらせることは難しいです。単に「柔らかいこと」だけを求める作業になってしまいますので。
柔らかければ美しく動けるか? 動けないと思います。ストレッチそれ自体には動かすための訓練が含まれていません。

太極拳では基本鍛錬で膝をしっかり上げることを第一として、インナーマッスルや股関節周りや骨盤の細かい筋肉を
稼動させることを優先します。
独立歩(片足立ち)でバランスを感じながら膝をしっかりゆっくり上げ下げできる感覚を掴めるようになれば、
無駄な筋肉の力が抜けてきますので自ずとストレッチも捗るようになります。



まずは美しい「膝蹴り」を出せるようにがんばりましょう。



ユリ(ササユリ)
花言葉は「純粋」「無垢」「威厳」

2015年6月23日火曜日

美しき太極拳女子を応援します-05 美脚

6月も半ばを過ぎ、旧暦の5月に入りましたね。
旧暦5月は高温多湿の盛夏であり,伝染病や毒虫の害がはなはだしく,悪月とされた云われもあります。

22日は夏至なので、まさに「夏」の中の「夏」です。
旧暦の5月は「午月」でもありまして、「午」は十二支いうならば真南・火気の正位にして帝旺です。
要するに真っ盛りってことですね。

「夏至」を境にして、今まで陽に上っていたのが、陰に転じていく境目です。
7月下旬は暑いだけの下り坂の「夏」で、8月は残り物の夏です。



とはいえ、世間ではこれから来る夏に向けて、
女性誌やフィットネス誌にも「美脚」の二文字がさんさんと輝いております。

いかに脚を鍛えるかっ。美しくなるかっ。


先のブログでは「キックボクシング女子」と書きましたが、
モデルさんを中心に脚を激しく動かすタイプのフィットネスが支持されているようですね。
ストレス解消にもなるし、運動量も大きいし、利点が多そうです。
4月には元・ムエタイの日本人女性チャンピオンが「キクササイズ」のジムを東京に
オープンさせました。
また、スポクラの会社がアディダスと提携して、
“走らなくても走れる脚をつくる”プログラム『adidas gym&run』を拡大展開するようです。


本当に「脚技」は女性の特権です。




さて、「脚」というのは二足歩行の動物である我々にとって生命線です。
武術的に見るならば、攻めやすく守り難いところでしょう。
太腿だけじゃありません。内腿、膝、脛、足首、足指etc・・・。
そして、「足元がお留守になってますよ」ではありませんが、
意外に守りにくい。目が届きにくい、意識が行きにくい、バランスを崩しやすい。
当てやすいのです。


もっとも、これらは武術的な見解なので、そこまで気にする必要もないかもしれません。


そして、加齢による脚の機能の低下。特に骨盤・股関節の筋肉が弱ってくると大変ですね。
美容に関係する数々の雑誌やサイトで取り上げられているので割愛します。



李老師は「脚は手のように使い、手は脚のように使う」と云います。
手よりも仕事が2つほど多いのです。
それは「重心移動」と「身体を支える」ことです。

太極拳では蹴ったり歩いたりするだけでなく「気を通じさせる(意識を届かせる)」
練習・意識が加わりますので、そういう意味ではひと手間多くなってしまいます。
太極拳の型では前に出す脚は、常に変化することを念頭におきます。

前に出す脚は移動かもしれないし、攻撃になるかもしれない。
スッと受け流す動きになるかもしれないし、足の裏で受ける動きになるかもしれない。

繊細な脚の感覚と動かし方を習得します。

何も特別難しいことをするわけではありません。
「ゆっくり」と「丁寧」に「大きく」動かすことを心がけるのが基本になります。

ただ、これを心がけるとついついやってしまうのが「下を見る」こと。
逆に云うと「普段どれだけ脚の動かし方と感覚がいい加減か」の良い証拠です。
これも早々に卒業するように練習します。


モデル・タレントの「青野楓」



もちろん、物理的に動かす基礎である鼠径部・股関節もバッチリ練習します。
太極拳の脚技の基本は「膝を高く上げて、降ろすこと」。
足先じゃありません、まずは膝を上げること、です。
一見すると楽そうですが、太極拳的に上げるとなると予想以上にハードルが上がります。
(もちろん、段階に応じて、ですが)
膝を上げることに夢中になると軸足が疎かになります。忙しいですね。


そして、上げたものを下す。ドスンと落としては意味がありません。
自分の責任で、自分の力でゆっくりと下します。


一方で、「脚がここまで開く」とか「高く上がる」といった
可動範囲の柔軟性はあまり要求していないのですね。
あるに越したことはありませんが、少なくとも優先はしない。
太極拳には基本的にハイキックやミドルキックはありません。

とはいえ、蹴り技大好きK姐先生がA先生の指導を仰ぎつつ個人的に研究しているようです。
相手を崩してからの垂直蹴り上げは見事ですね。
もともと柔らかいこともあったのですが、膝の上げ方を工夫してから
威力が増してきたように思います。



先ずは内腿、腸腰筋などのインナーマッスルを鍛え、股関節周りの小さな筋肉をどこまで使えるようになるか、
連動させられるようになるか、が重要です。
骨盤底筋群も見落とせません(太極拳では常に意識しますが)。
ついつい膝が開いてしまうとだらしなく見えてしまいますからね。


また、隙を無くし無駄な動きを排し、重心を安定させるので、
なにより「足運び」が優雅に、美しくなります。




「剣」と「脚技」は女性に与えられたギフトですね。

※6/25 補足編を追加





うちの流儀にはハイキックがありませんが、女子研究会みたいなのはあります(笑)。