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中央式太極拳は南京中央国術館副館長【陳冸嶺老師】により編纂された南京中央国術館正宗太極拳
を起源とする、古式総合太極拳です。
気の武術の奥義は、これ即ち 健康長寿の奥義。
今日、太極拳の医学的健康効果は多くの医学論文で実証されてます。
先ずは気を感じる事から始め、自身の免疫力、自然治癒力を高めましょう。

2015年6月11日木曜日

型は簡単に覚えられる・・・?

「型が覚えにくい」と思ったことはありませんか?
それとも「太極拳の型くらい、簡単に覚えられる!」と思ったことありませんか?


実は、李老師は当然、師範たちの演武を見て覚えるのはけっこう大変な作業なのです。
何故か? ゆっくりなのに不思議ですよね。

それは動きがひと時も止まってなくて流れるように移行しているからです。
区切りがありませんので、初心者は脳が「認識できない」のです。
Aという形を認識したと思ったら既にBに移行していて・・・というパターンに陥ります。



ダンスも、振り付けでは初級クラスはシンプルに「動いて止まる・動いて動いて止まる」
という感じなのですが、上級クラスになっていくと「動いて動く、動いて~止まって、動く動く」と
動きが止め処もなく移り変わっていきます。
先生がクラスレベルに応じて「休憩ポイント」を設けてくれているのですね。


はっきりくっきり「A」なら「A」。「B」なら「B」としてほしいと思うでしょうが、
それをやってしまうと太極拳ですらなくなってしまうのです。
ポーズを取ることが目的ではありません。そうなってしまうとラジオ体操以下です。

※ポーズではなく「立禅」としてできるようであれば既に問題ないレベルです


そう、「A」から「B」に移行するその間、過程こそが大事なのであって、「A」も「B」も
結果に過ぎないのです。


もちろん、明確なポーズだけを覚えるというのは流れを覚えるための「方法」
として悪いことではありません。間に存在する変化についての思考を後回しにして
省略化することも必要です。私も新しい型を覚える時にやります。



あと、人間は忘れます。覚えたつもりでも忘れます。
強い興味、好奇心や感動、驚きなどとともにスッと深層心理にでも入り込めば
かなり強固なのですが、通常の状態、ましてストレス(プレッシャーなど)がかかってしまうと
覚えたつもりでもその時に受けたストレスと一緒に忘れてしまいます。そんなものです。

人間は忘れるようにできているんですね。


型を覚えるということに関しては楽に考えてもらって良いと思います。
「太極拳をしている実感が無い」と云われてしまうとちょっと返答に困りますが、
先生方はその人の型を見ているのではなくて、姿勢、身体の動きや使い方を見ています。
それらは基本鍛錬とか太極拳の基本の攬雀尾とかで練習できていますのでご心配なく。







単純に型だけを覚えるのに良いのは、やはり発表会ですね。
これは良いプレッシャーでしょう(笑)。
私もそれで純陽剣を覚えました。


2015年6月7日日曜日

つばめ 

「形意拳」は中央式太極拳を学ぶ上では欠かすことができません。
なにしろ王樹金老師の得意とするところですから。

まずは劈拳。次に五行拳を学びます。
その次に「十二形拳」というものがあり、それは動物の名前を冠しており、
生き物の形態・動態を象形として武術に生かしたものです。
先のブログで「ハイタカ」に触れましたが、次は「ツバメ」である「燕形」があります。

今はツバメの繁殖期の真っ最中で、河原などでもよく飛んでいます。街中でも見かけることと思います。
オスカー・ワイルドの「幸福な王子」でも有名ですね。
「燕人」といえば三国志演義の「張飛」ですし、春秋戦国の「燕国」といえば楽毅が居てます。


さて、ツバメの最大の特徴として「空中で飛びながら虫を捕食する」こことが挙げられます。
意外に思われるかもしれませんが、”飛びながら”餌を捕え、飛びながら食べる鳥は意外と少ないのです。
ハチドリなども飛びながら蜜を吸いますが、ツバメやヨタカなどは飛んでいる虫を捕食しますので、
そういう意味ではよりスゴイと思いますね。

水面上を飛行しながら水を飲みます。もちろん地上ギリギリを掠め飛ぶこともよくあります。
目の前を滑るように飛んでいく様をいつ見ても素晴らしいものです。見とれてしまいますね。
急激に速度を落としたり小さく旋回することもお手の物です。

細かい話をしますと、スズメ目ツバメ科の「ツバメ」とアマツバメ目アマツバメ科の
「アマツバメ」がいてまして、見た目は似てますがちょっと仲間が異なります。
どっちも高速で飛ぶということに進化した結果のそっくりさんなんですね。
ちなみに、中華料理の「ツバメの巣」はアマツバメ系のアナツバメ類です。

「ツバメ返し」「ツバメ落し」「ツバメ斬り」「飛燕」「燕尾剣」etc・・・武術にもたくさん名前があります。
ようやく十二形拳の「燕形」の話です。



急降下、旋回、超低空飛行など、さまざまなツバメの動態を象意として取り入れられています。
乙の字のような動きであるから「乙鳥」と書いてつばめと呼んだりもします。
もちろん形意拳各派によって差異はあるのですが、予想に違わず、けっこう難しいんですよね・・・。
なので意外にみなさんやりたがりません。

姉弟子はかつて李老師に「ツバメではなくペンギン」と云われたことがあります。
私はスズメです。


そうそう。易経のなかにも、ツバメは出てきます。
たしか「風沢中孚」の初爻に燕の辞があって、ナントカカントカ・・・。
私は周易は不勉強なので、また詳しく調べてみたいと思います。

初爻は、「虞」はよく考えること。「它」は他に心を移すこと。
「よく考えれば吉。他に心を移せば安きを失う」。
本業を固く守る時。心変わりは禁物・・・かな。





「燕啼きて 夜蛇をうつ 小家哉」
蕪村



2015年6月5日金曜日

生まれ干支と五行

納涼懇親会、今年もやりますのでよろしくお願いします。
ちょっと間が空いちゃった人もお久しぶりさんも遠慮なくどうぞ!

※日取り、場所はまだです。すみません(汗)。



さて。

教室ではついつい干支を聞いてしまうことがあります。
年というよりは易における、ちょっとした相性占いみたいな感じですね。
四柱推命ほどではありませんが、五行易でも多少は遊べる程度にはできます。


形意拳には五行拳といって、五行そのままの型があります。

生年干支によるちょっとした遊びのようなものですがざっくり分類しますと、

寅卯が「木気」で、崩拳  「肝」 五味:酸っぱい     
巳午が「火気」で、炮拳  「心」 五味:苦い  
申酉が「金気」で、劈拳  「肺」 五味:辛い
亥子が「水気」で、鑽拳  「腎」 五味:塩辛い(鹹) 
丑辰未戌が「土気」で、横拳「脾」 五味:甘

土は他の四徳(木火金水)を含み、それぞれの属性をカッコよく言うと、
「かわいた大地」が戌  乾温   
「いてつく大地」が丑  冷湿    
「しずむ大地」が辰   湿潤    
「にらぐ大地」が未   熱燥   



やはり難しいのがちょっと不思議な動きをする横拳ですね。
基本となるのは劈拳です。崩拳は中国武術の象徴であり代表格でしょう。
鑽拳は動作がカッコイイですし、炮拳は護身に向いています。


実際の動作ができなくてもその形をもって立禅すれば良いでしょう。
興味があればまた教室で聞いてみてください。








「乾いた大地」