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中央式太極拳は南京中央国術館副館長【陳冸嶺老師】により編纂された南京中央国術館正宗太極拳
を起源とする、古式総合太極拳です。
気の武術の奥義は、これ即ち 健康長寿の奥義。
今日、太極拳の医学的健康効果は多くの医学論文で実証されてます。
先ずは気を感じる事から始め、自身の免疫力、自然治癒力を高めましょう。

2015年3月17日火曜日

丹道

李老師の知人でもある「丹道」の胡坤壬老師が台湾から大阪に来られていました。

せっかくの機会でもあるので、丹道の講義に参加してきました。胡老師は日本語があまり得意ではなく、
李老師の通訳のもとで授業が進んでいきました。

丹道というのは、道教系仏教ともいうべき道義に基づいて「智慧を拓く道」を本題とします。そのための禅であり気功養生法であります。
智慧は仏教における様々の結果として得られた「悟り」のことで、また般若心経で有名な般若はサンスクリット語の漢語訳で、ほぼ同義です。



「性」「命」「心」「霊」を禅によって修めようというものであり、そして丹というのは心にも体にも効く「薬」であり、それを我が身に宿して練り上げる、
という具合にお考えください。さらに広く見ると世の中に対してのクスリ=文化といえます。

中国では伝統的に「性命双修」ということが言われており、「性」は、性質、本性として、それを養うとは精神性、人間性を磨くことになります。
「命」は、身体の健康です。「性命双修」とは、「性(人格)」にも「命(健康)」にも片寄らず、両方を並行して気功の修練を行っていくことを重要視します。
気功の修練の目的として、「悟り」があります。





  ※もっと簡単にいえば「心身の養生の道」でその道の先に悟りがありますよ、と。「悟り」なんて書くと大層な感じがしますが、
   「自己発見」といいますか、固定観念や感情などを払しょくして真我や宇宙観に到達するということも含んでいると思います。
   
   以下は私の憶測なので読み飛ばし推奨。
   悟りを「大層に」「難しく」「考えてしまう」のもある意味、社会世間に「束縛」され「影響」を受けた結果に出た感情と云えます。
   抱え込み、がんじがらめになった固定観念の鎖をほどいていく行程かもしれませんね。   


座学では道義や概念、要訣などを教えてもらい、実技ではいわゆる座禅を習いました。

座禅といっても、日本のお寺でよくあるような感じではありません。寝ていたら肩をバシっとやられるとかはありません。
修行とイメージするほどのこともなく緩いのですが、その分、自己責任ですね。

みなで座禅をしますが、ちらっとみるとコックリコックリとしている人もいます。
寝てしまってはダメでそういう時は「さっさと寝る」とのこと(笑)。

また、意のよって気だの何だのを導くとか、そういうものでもありません。
まさに「無為」ですね。


太極拳に通じるものもあり、たいへん勉強になりました。

2015年3月14日土曜日

美しき太極拳女子を応援します-03

最近、トマホーク(手斧)が気になっております。もともとの発祥はベトナム戦争で米軍が使用したことが契機のようです。
海外ではCQC(近接格闘)などが中心となり、日本でもようやく知られてきた感じがあります。


中国武術では鴛鴦鉞(えんおうえつ)などがありますが、あれは握り斧って感じですか。
日本の武術ではほとんど見かけません。本来的には武器ではありませんしね。
でも、白土三平の描く忍者漫画にはかならず出てくるんです。特に「ワタリ」とか有名ですね。




斧と云えば「マキ割り」が思い浮かぶと思います。
パカパカと割っていくのは大変なストレス解消になりますね。筋トレとしてのイメージもまたありますが、
筋肉を使ってではなく、斧の重さを利用するのが疲労も少なく効率的で好ましいようです。










さて、本題。
書店などではさまざまなトレーニングにかんする本がありますね。
腹を引っ込めるのは永遠のテーマとなっておりますが、ここ数年で増えてきたように思うのは「体幹トレーニング」とか、
「道具は要らない!自重を使う訓練法」とかありますが、太極拳ではとっくの昔に・・・というより、ごく当たり前のことです。


逆に体幹やインナーマッスルに関わらない基礎練習があったかな?というレベルです。
とうぜん太極拳の型を低い姿勢でするのもかなりの体幹トレーニングです。






体幹筋(たいかんきん、羅名: musculi trunci)は広義の骨格筋のうち、体幹に属する筋肉を総称したものである。
体幹筋は前体幹筋(主な一例腹直筋、腹横筋、腹斜筋、大胸筋)と後体幹筋(後背筋、脊柱起立筋、僧帽筋)に分けられる。
体幹筋に対して、上肢、下肢に属する筋肉を体肢筋と呼ぶ。略して体幹とも呼ばれる。
BIG3ではベンチプレスで胸部、デッドリフト、スクワットで背中を鍛えることができる。


体幹筋 wikiより抜粋




体幹は胴体の曲げ伸ばしのほか、姿勢を保ち、体全体のバランスをとる役割を担っています。
そしてもっとも大事な呼吸の役割もあります。

このように体を支える為の最も重要な筋肉ですので逆に体幹が弱すぎると、姿勢が悪くなったり、腰が曲がったり、
物を持ったときにギックリ腰になったり、といった具合に生活に支障をきたします。
また呼吸も浅くなり、循環も悪くなってしまいます。

怪我や体調不良を避ける為にも、体幹は強いほうが良いです。
特に女性は筋量が多い方が美容だけでなく健康上からも好ましいと思います。




ただ、太極拳では特定の部位を鍛えるという考え方ではなく、型や様々な姿勢、
歩き方における「動作」に関連した方法が主流になっています。
何よりも呼吸に携わる筋肉をもっとも重要視しています。横隔膜が筋肉痛になったりしたら、
むしろ喜ばしいことかもしれませんね。

フィットネス風にいうと「スロートレーニング」でしょうか。
ゆっくり動くのは決して高齢者向けのためでも、わかりやすいためでもなく、ただただトレーニングのためなんですね。

そしてトレーニングに終始することなく、ある程度下地ができれば、次は調身や調息に移っていきます。
心と身体、そして呼吸の三者を整えていく行程です。
太極拳がただの運動に終わらないということですね。





春からチャレンジしてみたい方、見学・体験も受け付けています。


2015年3月12日木曜日

周辺視

周辺視の練習をしている時ってどんな顔をしているのかと思って手鏡を見たら、自分でもびっくりするくらい目つきが悪くなってました。



こ、こんな顔で教室や他所の勉強会とか参加したのだとしたら・・・あわわ。

私がムーっとした顔つきをしている時は、周辺視の心がけや練習をしているんだと思ってください。


※周辺視=人相が悪くなるということはありません。
私の場合は元々の目つきがアレなんで(汗)。




周辺視がある程度できるようになると、老眼や首、肩こりの軽減になりますので、
練習しております。




私もそうですが、周辺視が多くの人に難しいのには理由があります。
視覚依存率8割以上の日常生活、人間社会では、切り替えろというのも無理な話です。
そもそもからして、我々の住む都市と云うのは「視覚」に基づいた環境設計やインフラということでしょう。
視覚の要求に基づいた環境であり、生活はまたそれに合わせることを要求されます。






もちろんこの場合の視覚と云うのは「一点集中視」です。
精度はすばらしいですが、ひたすら筋肉を酷使します。


焦点以外は見えないどころか、感知するのが困難です。
「歩きスマホ」がいかに危険かということもお分かりかと思います。






周辺視は武術に限らずおおよその身体操作に必要であり、視覚の基本となるものです。
そのひとつに重心や軸の変化があります。
見ることに集中してしまうとどうしても前のめりになります。
顔が、頭が、そして首が前にどんどん行ってしまいます。重量のある頭が前に行っているので
バランスを取ろうと、肩や背中で釣り合いをとる為、引っ張ります。引っ張るために筋肉が
常に縮んで緊張することになるので、肩や背中が凝るのです。

肺も胃腸も圧迫され、呼吸も浅くなり、循環もとても悪くなります。


型をする時も、あまりに見過ぎると軸が曲がって前傾してしまったり、
あるいは眉間のあたりから顔の前にかけてギューッとした感じになってしまい、
とても窮屈な感じの動きになってしまいます。
また、背中~太腿の裏にかけてのラインの意識もなくなってしまいますね。
剣道ですと「遠山の目付」ともいわれます。
まず周辺視が基本になってくるのですが、リラックス状態での集中が必要になってくるでしょう。
そうでないと動きもカチカチになってしまいます。




目と云うのはもともとは光の粒子を感じる受容器なんですね。無脊椎動物は皮膚の由来で、
脊椎動物は脳神経由来です。
光の情報をキャッチして、中枢神経系の働きで視覚が生じます。


そういう意味では、観ると云うよりも感じることを意識した方がいいかもしれません。
網膜で光を感じるという具合で。




余談ですが、鳥は人間の数十倍の視力を持ちます。
ある程度距離が離れていてもこちらの目線にすぐに気づきます。
猛禽類などでは数キロ先の獲物を発見できます。




最近では有名になりましたがシャコは12種類の色を識別でき(人間は3色)、それだけでなく
「円偏光」を認識できるということです。偏光を見ることのできる鳥や虫はいますが、
円偏光はシャコだけのようです。


※円偏光
電場(および磁場)の振動が伝播に伴って円を描く。回転方向によって、右円偏光と
左円偏光がある。角運動量を持つ。






昆虫は時間分解能が発達しております。
ハエの場合、光の明滅を300ヘルツまで感知できるそうで、1秒間に300コマを映せるビデオで
撮影をし、これを通常の30コマ送りで映し出せばその映像は時間を10倍の長さに引き延ばして
映し出すことになります。要するにハイスピードカメラと同じ理屈ですね。
(人間は30ヘルツまでしか感じられない)
速い動きに対する反応は速いですが、遅い動きに対する反応は鈍くなります。




人間でも「双瞳」という表現があります。一つの眼球にふたつの瞳孔が存在することです。
視力云々には関係なく、古代中国の貴人の相として知られています。
楚の項羽が有名でしょうか。
別々に2つあるのではなく、おそらく瞳がふたつ重なった感じかと思われます。
ただ、医学的にみると外科手術が必要ということであまりよろしくないようです。






光といっても、紫外線から赤外線までありますし、宇宙線やX線までいろいろあります。
その中で人間が見えているのは「可視光線」というたった0.000001%くらいだったと思います。


見えていないだけで、いろんな光が存在します。
そういう意味では、人間の感知できる範囲はちっぽけなものですね。






※周辺視ができるからといって、赤外線・紫外線やらが見えたりできません。念のため。