周辺視の練習をしている時ってどんな顔をしているのかと思って手鏡を見たら、自分でもびっくりするくらい目つきが悪くなってました。
こ、こんな顔で教室や他所の勉強会とか参加したのだとしたら・・・あわわ。
私がムーっとした顔つきをしている時は、周辺視の心がけや練習をしているんだと思ってください。
※周辺視=人相が悪くなるということはありません。
私の場合は元々の目つきがアレなんで(汗)。
周辺視がある程度できるようになると、老眼や首、肩こりの軽減になりますので、
練習しております。
私もそうですが、周辺視が多くの人に難しいのには理由があります。
視覚依存率8割以上の日常生活、人間社会では、切り替えろというのも無理な話です。
そもそもからして、我々の住む都市と云うのは「視覚」に基づいた環境設計やインフラということでしょう。
視覚の要求に基づいた環境であり、生活はまたそれに合わせることを要求されます。
もちろんこの場合の視覚と云うのは「一点集中視」です。
精度はすばらしいですが、ひたすら筋肉を酷使します。
焦点以外は見えないどころか、感知するのが困難です。
「歩きスマホ」がいかに危険かということもお分かりかと思います。
周辺視は武術に限らずおおよその身体操作に必要であり、視覚の基本となるものです。
そのひとつに重心や軸の変化があります。
見ることに集中してしまうとどうしても前のめりになります。
顔が、頭が、そして首が前にどんどん行ってしまいます。重量のある頭が前に行っているので
バランスを取ろうと、肩や背中で釣り合いをとる為、引っ張ります。引っ張るために筋肉が
常に縮んで緊張することになるので、肩や背中が凝るのです。
肺も胃腸も圧迫され、呼吸も浅くなり、循環もとても悪くなります。
型をする時も、あまりに見過ぎると軸が曲がって前傾してしまったり、
あるいは眉間のあたりから顔の前にかけてギューッとした感じになってしまい、
とても窮屈な感じの動きになってしまいます。
また、背中~太腿の裏にかけてのラインの意識もなくなってしまいますね。
剣道ですと「遠山の目付」ともいわれます。
まず周辺視が基本になってくるのですが、リラックス状態での集中が必要になってくるでしょう。
そうでないと動きもカチカチになってしまいます。
目と云うのはもともとは光の粒子を感じる受容器なんですね。無脊椎動物は皮膚の由来で、
脊椎動物は脳神経由来です。
光の情報をキャッチして、中枢神経系の働きで視覚が生じます。
そういう意味では、観ると云うよりも感じることを意識した方がいいかもしれません。
網膜で光を感じるという具合で。
余談ですが、鳥は人間の数十倍の視力を持ちます。
ある程度距離が離れていてもこちらの目線にすぐに気づきます。
猛禽類などでは数キロ先の獲物を発見できます。
最近では有名になりましたがシャコは12種類の色を識別でき(人間は3色)、それだけでなく
「円偏光」を認識できるということです。偏光を見ることのできる鳥や虫はいますが、
円偏光はシャコだけのようです。
※円偏光
電場(および磁場)の振動が伝播に伴って円を描く。回転方向によって、右円偏光と
左円偏光がある。角運動量を持つ。
昆虫は時間分解能が発達しております。
ハエの場合、光の明滅を300ヘルツまで感知できるそうで、1秒間に300コマを映せるビデオで
撮影をし、これを通常の30コマ送りで映し出せばその映像は時間を10倍の長さに引き延ばして
映し出すことになります。要するにハイスピードカメラと同じ理屈ですね。
(人間は30ヘルツまでしか感じられない)
速い動きに対する反応は速いですが、遅い動きに対する反応は鈍くなります。
人間でも「双瞳」という表現があります。一つの眼球にふたつの瞳孔が存在することです。
視力云々には関係なく、古代中国の貴人の相として知られています。
楚の項羽が有名でしょうか。
別々に2つあるのではなく、おそらく瞳がふたつ重なった感じかと思われます。
ただ、医学的にみると外科手術が必要ということであまりよろしくないようです。
光といっても、紫外線から赤外線までありますし、宇宙線やX線までいろいろあります。
その中で人間が見えているのは「可視光線」というたった0.000001%くらいだったと思います。
見えていないだけで、いろんな光が存在します。
そういう意味では、人間の感知できる範囲はちっぽけなものですね。
※周辺視ができるからといって、赤外線・紫外線やらが見えたりできません。念のため。