いきなり変な話ですが、当会は講師によって教える型が若干異なる時があります。
李老師の型も、30年前、10年前、半年前と今で異なります。
手型、手先の角度、過渡式(形から形への動き)etc・・・。
こう書いてしまうと「そちらの会では統一された型がないのですね?」
・・・と思われてしまうかもしれません。
実際、会員さんによっては「あの先生はこういった」「この時ああいった」といったこともありますので。
なぜそのようなことが起きるのか。
戸惑うだけじゃないか?と思われるのも無理からぬことでしょう。
それは型の変更ではありません。変化です。
応用であったり、解釈であったり、変化の研究であったりの結果で、
時に基本に立ち返ったり、時に他流派を参考にしたり、時に古の理論をひも解いてみたり・・・。
陰陽五行に通じる李鴻儒老師の気付きや講師陣の日々の研鑽・研究の成果であります。
そして、さまざまな可能性や応用、ヒントを教えてもらえる良い機会なのです。
また、指導員たちやベテランがまったく戸惑うことなく素直に教えを受けているのは
共通している「約束事」があるからです。
約束事とは「変わらない部分」です。
月が昇り、沈むことは変わりません。ただ、月は常に変化しております。
三日月もあれば満月もある。そういうことです。
約束事ですが、ひとつは、三体式の立ち方。
ひとつは、物理的なこと(丹田から動く、身体で動く、最短で動く、無駄な動作はしないetc)を
守っているからです。
ひとつは、八卦掌や形意拳の基礎です。
この約束事を身に沁みこませるために、当会では基本を重要視しています。
余談ですが、古い会員さんだと、昔の李老師の型を覚えている方もおられて、私も比較したり参考にしたりすることがあります。
また、段階や状況によって教え方を簡略化し、時にエッセンスのみとすることも多々あります。
まず大まかな流れを覚えて欲しい、あるいは左右の手の動的バランスを感じて欲しい、など
その場で何を優先するかで異なってきます。
もちろん、これはどういう目的で云々・・・と付け加えますが。
余談ですが、以前、高齢者が多い教室で李老師が(言葉の大変さもあるので教えるのに苦慮したのか)
びっくりするほど一部の型を簡略化して教えてしまったこともありました。
後にその教室に行く機会があり、理屈としては間違っていないけれどと思いながら、
私が「それはおかしいですよ(汗)」というと「李老師から教わった云々・・・」と
こちらも説明に大変だった思い出があります(笑)。