太極拳の難しいところは型を覚えることではありません。
単刀直入に書いてしまうと「同時進行的に複数の動作を行わねばならない」ことです。
はい、呼吸をしながら、目線は水平に、軸を感じて、丹田から動いて・・・はい、そこのあなた、呼吸が止まってますよ。
おっと、目線が落ちてます。下を見ないでください。
こんな感じです。
形意拳になるとタイミングがさらにシビアになってきますので、身体の各所をシンクロさせないといけません。もちろん、リキミすぎていてはダメです。
忙しいですね。
さすがにそこは各人のレベルに応じて要求を変えていきますし、会員さんも密かに「今日はこのテーマでいこう」と決めて実行していたりしてます。
ただ、呼吸だけは最低限のお約束になっております。
※動きに気を取られていると呼吸がとんでもなく浅くなったり、下手すれば息を詰めていることがよくあるので
このように、あれもこれもやることが多いので型を急いで覚えたりする必要もありません。
やらないといけないこともひとつずつ着実にやっていけばよいのです。
太極拳自体、非日常動作なのです。普段と同じような動作でもその内側、筋肉の動きや骨の角度などはまるっきり異なるのです。人間が生まれもった身体の本能的・感覚的な動きではなく、人為的な、それでいて物理や構造力学に基づいた、いわば第二の自然の動きなのです。
そして日常生活でしみついた「動き」を短期間で変えることは大変です。それだけ体が持っている癖、日常で馴染んでしまった動き方というのは強力なのです。それもまた生き物としての適応のなせる業なので否定してしまってはいけませんが。
慌てず急がず続けることが大事ですね。