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中央式太極拳は南京中央国術館副館長【陳冸嶺老師】により編纂された南京中央国術館正宗太極拳
を起源とする、古式総合太極拳です。
気の武術の奥義は、これ即ち 健康長寿の奥義。
今日、太極拳の医学的健康効果は多くの医学論文で実証されてます。
先ずは気を感じる事から始め、自身の免疫力、自然治癒力を高めましょう。

2015年2月10日火曜日

太極拳=立つ、こと

 
 太極拳は「立つ」ことから始まります。


 何かしら太極拳を修練することを通じて獲得したい目的があるでしょう。
健康だったり美容であったりはたまた武術であったり・・・そういう目的が多々あるかと思いますが、それらに共通する基本が存在します。それは「立つ」ことです。


 既に当たり前のように立てているのに何故?とお思いでしょうが、まずその当たり前に立てていることを振り返ってもらうといいでしょう。「立つ」ために考えて立ちあがったことはないと思います。重心バランスや平衡、上下感覚を常に考えながら、どの筋肉をどう動かして・・・のように立ちあがったことはないでしょう。電車や信号待ちの時に重心位置や背骨、骨盤の傾き、関節各部への荷重を感じて意識的に修正することもないでしょう。また、二足歩行ロボットの開発の難しさを考えてもらうといいかと思います。


 「立つ」ということは無意識的になされています。いちいち考えてやっていたらとてもではありませんが日常生活は送れません。それは自動運転のようなものです。言うなれば、太極拳ではその自動運転をいったんオフにし手動運転に切り替えて、それから新しいソフトをインストールしていく行程を重視します。


 最低限の力で偏りなく「立つ」ことで無駄な力みがなくなり、気血の滞りが減少し、内臓が活性化し、腰痛、肩こりなどが軽減されます。未病の予防にも役立つでしょう。
 自分の重心位置を把握し、バランスよく「立つ」ことで、無駄な動作・挙動が減り、佇まいや振る舞いに洗練された美しさがでてきます。
 骨格構造や筋肉の筋(腱)を主体にして「立つ」ことで容易に倒れることもなくなり、また立つことを知ることで相手を崩しやすくなります。


 もうひとつ、我々が日常生活で意識しないことがあります。それは「重力」です。生まれてから死ぬまで重力を感じながら生活しているのです。余談ですが脊椎動物である哺乳類の陸上生活における最大の利点は重力下であっても比較的身体を巨大化できつつ、それなりに俊敏性も失われないということです。単純な運動性能だけであれば無脊椎動物である昆虫の足元にも及びませんが、外骨格の彼らには身体を大きくすることができないのです。


 重力と云うのは重さを造り出す原因となる現象です。物体はいやおうなく地面に引き付けられます。我々の身体も例外ではありません。端的に云いますと、太極拳ではこの重力に逆らうことなく、むしろ逆に調和し利用することを目指します。 


 重力と親和する身体で立つことができれば、新たな景色を見られると思います。