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中央式太極拳は南京中央国術館副館長【陳冸嶺老師】により編纂された南京中央国術館正宗太極拳
を起源とする、古式総合太極拳です。
気の武術の奥義は、これ即ち 健康長寿の奥義。
今日、太極拳の医学的健康効果は多くの医学論文で実証されてます。
先ずは気を感じる事から始め、自身の免疫力、自然治癒力を高めましょう。

2015年5月7日木曜日

声とタイミング

私は趣味でダンスのスタジオにも行くことがあるのですが、
たまたまそのクラスで、チーフ先生の教える合間にアシスタント先生が
ストレッチやコンビネーションを教えてました。

特にストレッチはいつもの先生と一言一句ほとんど違いません。
でも、この感じ方の「差」。
同じ人間などいないのですから違って当たり前なのですが、
なんかこう、ノってこないんですよね。


他のクラスのベテランの先生とも決定的に違うのは何だろうか?
練習をおろそかにするわけにもいきませんのでとりあえず考えるのはやめてました。
しかし、この違いが気になりましたね。


まず、いちばん違うのが「声」。
ベテラン先生に比べて薄いというか、あまり通らず、響いてこない。
ベテラン先生の場合はごく自然に耳に入ってくるのですが、
アシスタント先生の場合は、なんかこう、意図的に聞き取らないといけない。
決して声が小さいという訳ではなく、ちょっと大きめに喋ってるな~という感じは
あるのです。でも、何が違う??

あと、ちょっとテンポが速かったように思います。
考える以上にゆっくりしゃべらないとついつい早口になるというのは
よく云われることなので、演武会の司会では相当ゆ~っっくり喋るように心掛けています。

ああいった司会は一方通行なので、そういう意味では楽です。
(本業の人は上手くアドリブを入れたり、客をいじったりもできるんでしょうけど)
教えるときは生徒との双方向的なやりとりなので、ゆっくりしゃべるのはかなり難しい。


声のタイミングも全体的に早めだったかな?
「あ、やべ」みたいにちょっと急いで切り上げる時もありました。
そうそう。タイミングと云うより、声と声の、動作と動作の「間」の取り方ですね。


もっとも、私がその先生のクラスで長いのでテンポやタイミング、内容などに
慣れ切っているため余計に差異を感じてしまうことは否めませんけどね。




これはなかなか考えさせられます。
私も毎回あれこれ考えながらなので。

先週は余技のボールペン手裏剣を他の会員さんに教えて、
割と短い時間で刺さった時は私の方が喜んでました(笑)。
これは会員さんがダルマ気功スワイショウをやってくれていたおかげです。
腕の振りに力みが少なかったので。



声のテンポ、喋り方、初心者への気の配り方、
教える中でのリズム、流れ、仕切り、時間配分etc・・・。


教える側の基本的な姿勢や全体的な仕切りなど、
私も含めて当会の新人講師陣への研修課題になりそうですね。


 

2015年5月3日日曜日

なんば教室の練習メニュー

〇なんば教室の練習メニュー(2015.5現在)
基本動作と身体作りを中心に、気功や套路を段階的に習得していくことを目指しています。


暗記的に型を「覚える」ことも大事ですが、身体や動き方の仕組みを変えていくことが
主眼となりますので、体験や積み重ねで沁みこむように習い覚えていくことを大事にします。


李老師や師範達の研究、進歩により、メニューや指導内容は徐々に、
あるいは微妙に変わっていきます。これがなくなる代わりに新しい練習法が
加わるなど、講師陣の日々の研鑽のもとに構成されています。







01:予備功(準備運動も兼ねる):ダルマ気功スワイショウ 
気功としても、また太極拳としても基本力を養成できます。


形自体は類似したものがありますが、李鴻儒老師や師範たちによって
さらに改良と工夫を重ねた気功法です。
健康や美容はもちろんのこと、体質改善、身体鍛錬として、
自宅でもできる手軽さが最大の特長。


簡単・シンプルなので初めての人でも安心して取り組めます。
上級者には練功法としても応用・発展できます。








02:基本功(基礎鍛錬):小仙鶴歩、大仙鶴歩、立禅など
外丹功や太極拳の基本鍛錬を取り入れたカリキュラムです。
初心者には、今まで使っていなかった体幹の部位や深層筋を目覚めさせることに
効果があり、中級者以上では気功・鍛錬法として取り組むことができます。
気功、太極拳だけでなく、形意拳、八卦掌の基礎も含んでいます。






03:套路:中央式太極拳 全套路
九十九の太極拳套路を全員で通してやります。
目安として套路の名称ガイダンスの音楽を流しております。


初心者の人は見ながらついていくだけでも大変! と思ってしまうかもしれません。
でも、大事なのは手先の動きではなく、「立ち方」なのです。
「立ち方」を最初に心がけてもらうのが上達の近道です。
それだけでも十分な練習になります。当流儀の立ち方は8割以上が同じ形です。









04:ピックアップ、対練実技、套路復習etc(その時々で割合や内容は変わります)
太極拳套路を終えて、師範が見て注意すべき点や改善点、用法などを見直します。
姿勢、目線、応用例、時に八卦掌&形意拳的変化など、皆で注意点を共有して学習します。

また、対練実技あるいは型の用法例として、お互いに技を掛け合います。
実戦というよりはレクリエーション的な気軽な練習です。
型の理解を助ける、お互いに生じる対人緊張を解す、どれだけ無駄な力が
抜けているか図る・・・といった目的があります。

初心者には進度に応じて套路の復習、新しい型の学習など。
中級、上級者には形意拳、八卦掌の基本型などの学習など。



※合間に必ず小休憩を挟みます。体調不良の場合はすぐに休憩してもらって大丈夫です。
※時と場合の必要性に応じて、メニューの内容や割合が変わることがあります。
※李老師が来られた場合、すべての内容を変更することがあります。




〇余談


「武を求める人は健康を、健康を求める人は武を」。
というように、ひとつの考えや目的に固執してしまう、希求しすぎてしまうことは
かえってマイナスになります。


やはり「太極」拳というように、表と裏、上と下、重いと軽い、呼気と吸気・・・といった
相対的な要素をもって、かつそれらをバランスよく動かし交合することが肝要です。
「私は健康目的だからコレでいい」「相手を打つのに健康法は不要」では
もったいないです。
「武医同源」というように武と養生法の二つをもってバランスよく進んでいくことが、
一見回り道や余計なことに思えても、結果的にそれらは良い回答に結び付きます。





教室見学や体験レッスンご希望の方は、「掲示板」に直接書きこんで
いただければOKです。
なんばの生涯学習センターにチラシも置かせてもらっております。

あるいは、
hasselti@jt5.so-net.ne.jp
橋本までお申し込みください。




2015年5月2日土曜日

太極拳はなんで「太極」

会員さんから「何で太極拳というんですか?」と質問を受けたことがあります。


お恥ずかしい話・・・・・・これがスマートに答えられない( ;´・ω・)

たとえば、易学の教室で李老師や姉弟子、クラスメイトの人たちと今更「太極」に
ついて議論することはほとんどないです。ひとつの「共通認識」としてお互いに
共有しているので、突っ込んで解説することもありません。
「アレは五行の関係性で・・・」「太極図のうんぬんかんぬん」とだけで済みます。


そして、法則性だとか、方程式みたいな約束事はしっかり覚えていますが、
いざ説明しようとなると、情報と知識の整理から始めることになります。
なので、戸惑ってしまいます。全く知らない人に対する説明がたいへん難しい。
「・・・・・だからまぁ、そーゆーこと」みたいに締めくくってしまいます(笑)。




では、太極理論等を知らなければ太極拳はできないか?ということは全然ありません。
別に知らなくても太極拳は十分できます。太極拳といっても、
やはり物理学心理学人間工学解剖学etc・・・が先立ちます。
そこまでオカルトなものでもありません。




ざっくりと書いてしまえば、おおよその古流武術に宗教的・哲学的な
思想が付随します。剣術と禅、合気道と古神道、少林拳と仏教etc・・・。
陳一族の武術だったものに、太極思想などの中国伝統哲学
(中国には西洋哲学的なものはありません)が
合わさったもの・・・と書いてしまうのは少々乱暴でしょうか。




さて、 『太極』と言う言葉の語源は《易伝・係辞上》から来たものです。
一般的には道教のイメージが強いかもしれませんが、道教より原初である
「易経」に由来します。


「易有太極」 (易に太極あり)。




そして、太極図の正式な名称は「陰陽魚白黒太極図」と云い、
よくある白黒だけの「太極図」は簡略化された図案です。
その白黒の勾玉が合わさったような部分は陰陽魚と云います。
太極図は、陰陽魚の外側には八卦方図、もしくは八卦円図を配置してこそのもので、
白黒マークだけでは、正確に言えば太極図ではありません。




中央の白と黒を分ける線は「中道」です。
白黒の部分よりも重要視するのはこちらでしょう。常に陰と陽は変化するものであり、
その変化の中で陰と陽の配分が等分に近くなるように、自ら動的にバランスを
とらねばなりません。




陰と陽と、そして中。これこそが太極拳の太極理論たる由縁かもしれません。



このように、ある程度かじっていると、学がある風に装えます(笑)。
もちろん、東洋思想の精髄でもありますから、達人になればなるほど
有用になると思います。ただの武術、ツールとしてではなく、それらがあることに
よって精神性、ひいては宇宙観に関わっていくのだと思います。


軍隊ならいざしらず、精神性を失った武術は、現代では
社会保安上の潜在的な懸念にしかなりません。






さてさて、小難しいことはともかく、マークとしては実に秀逸ですね。
分かりやすい。なんとなくイメージしやすい。道着にこのマークをつけておけば、
とりあえず太極拳っぽく見えます。オリエンタリズムもたっぷりです。


案外、そのあたりから命名したのかもしれませんねぇ。


いずれにしろ知らないよりは知っていた方が良いのは間違いないでしょう。
当会でも講師を目指す人たちにはある程度知ってもらっておいた方が
よろしいので、またテキストなり何なり作らないといけません。