新入会の会員さんたちに「攬雀尾(らんじゃくび)」を指導しました。
いきなり型の1番目から・・・というわけではなく、もっとも頻繁に出てくる型であり、
かつ太極拳の基本であるを攬雀尾の流れを学んでもらうのが目的です。
掤・捋・擠・按の動作から成ります。そこに採と挒を加えて合わせて6つの動作を
学習してもらいました。これがある程度できるようになれば、
皆で太極拳をする時に付いてくるのがかなり楽になります。
動作が小さく短いので自宅学習にも向いています。
そして師範の指示でを搬攔捶(はんらんすい)を追加しました。
一見すると普通のパンチのように見えるんですが、その実、パンチではありませんし、
また、突きだけに終わる型でもありません。
ただ、搬攔捶の型云々よりも最も理解してもらいたいのが、
まずは拳を「置く」ということ。当てるのではなく、「置く」こと。
太極拳では大事な要素ですが、実はこれがなかなか出来ないのです。
技巧的に難しいとか運動神経とか筋肉とかの問題ではなく、ついつい深層心理的に
まっすぐ腕を伸ばして突いてしまう。
一回二回程度では無理なので、このあたりを根気よくやってもらうことにしています。
人の性(さが)といいますか、どうしても「腕」でやりたくなってしまうんですよね。
なめらかな動作であったり、おさえこもうとする力の掛け方であったり。そうではなくて、
いかに身体の力を有効に使ってもらうか、そういう身体の動かし方にシフトしてもらうか、
が重要です。腕と身体、そして脚がつながれば、それだけで動きがきれいになります。
こうして新会員さんたちに攬雀尾の一通りを学んでもらいました。
攬雀尾をしている間はずっと三体式で立つので、それだけで十分に鍛錬になっています。
説明でどうしてもわかりにくいところは武術的用法を見せたり、軽く体験してもらったりしますが、
太極拳が武術であることに驚かれてしまうのはお約束。
そして、やはり人によって得意不得意がありますね。
不得意を直しつつ、得意な技を伸ばしていってほしいです。
余談ですが攬雀尾の雀は「孔雀(クジャク)」を指しているという説があるようです。
孔雀というと優雅さばかりが目立ちますが、その実は「毒蛇喰らい」の
猛々しい鳥です。サソリやヘビなどを平気で食べるところから邪気払いの象徴として
仏教系では「孔雀明王」の名で信仰に取り入れられたりもしています。
ギリシャ神話@女神ヘラのペットでもあります。
※お分かりの通り、「孔雀王」の話をし始めると長くなるんでこのくらいに(笑)
※※実はヘビやらサソリやらを喰う鳥はけっこういます。逆にクジャクは
ニラやネギ、タマネギも食う悪食っぷりを知って驚いたことがあります。
飼うのは餌に関しては楽そうですが、蹴爪がデカいんで蹴られると
かなり痛いようです。
孔雀のように、優雅さの中にも秘めた強さ・芯の強さを備えることが
求められているのかもしれません。
まだ会員枠はありますので、春からやってみたい方はお早めにお申し込みください。
見学・体験は随時受け付けておりますのでご遠慮なく。