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中央式太極拳は南京中央国術館副館長【陳冸嶺老師】により編纂された南京中央国術館正宗太極拳
を起源とする、古式総合太極拳です。
気の武術の奥義は、これ即ち 健康長寿の奥義。
今日、太極拳の医学的健康効果は多くの医学論文で実証されてます。
先ずは気を感じる事から始め、自身の免疫力、自然治癒力を高めましょう。

2015年5月2日土曜日

太極拳はなんで「太極」

会員さんから「何で太極拳というんですか?」と質問を受けたことがあります。


お恥ずかしい話・・・・・・これがスマートに答えられない( ;´・ω・)

たとえば、易学の教室で李老師や姉弟子、クラスメイトの人たちと今更「太極」に
ついて議論することはほとんどないです。ひとつの「共通認識」としてお互いに
共有しているので、突っ込んで解説することもありません。
「アレは五行の関係性で・・・」「太極図のうんぬんかんぬん」とだけで済みます。


そして、法則性だとか、方程式みたいな約束事はしっかり覚えていますが、
いざ説明しようとなると、情報と知識の整理から始めることになります。
なので、戸惑ってしまいます。全く知らない人に対する説明がたいへん難しい。
「・・・・・だからまぁ、そーゆーこと」みたいに締めくくってしまいます(笑)。




では、太極理論等を知らなければ太極拳はできないか?ということは全然ありません。
別に知らなくても太極拳は十分できます。太極拳といっても、
やはり物理学心理学人間工学解剖学etc・・・が先立ちます。
そこまでオカルトなものでもありません。




ざっくりと書いてしまえば、おおよその古流武術に宗教的・哲学的な
思想が付随します。剣術と禅、合気道と古神道、少林拳と仏教etc・・・。
陳一族の武術だったものに、太極思想などの中国伝統哲学
(中国には西洋哲学的なものはありません)が
合わさったもの・・・と書いてしまうのは少々乱暴でしょうか。




さて、 『太極』と言う言葉の語源は《易伝・係辞上》から来たものです。
一般的には道教のイメージが強いかもしれませんが、道教より原初である
「易経」に由来します。


「易有太極」 (易に太極あり)。




そして、太極図の正式な名称は「陰陽魚白黒太極図」と云い、
よくある白黒だけの「太極図」は簡略化された図案です。
その白黒の勾玉が合わさったような部分は陰陽魚と云います。
太極図は、陰陽魚の外側には八卦方図、もしくは八卦円図を配置してこそのもので、
白黒マークだけでは、正確に言えば太極図ではありません。




中央の白と黒を分ける線は「中道」です。
白黒の部分よりも重要視するのはこちらでしょう。常に陰と陽は変化するものであり、
その変化の中で陰と陽の配分が等分に近くなるように、自ら動的にバランスを
とらねばなりません。




陰と陽と、そして中。これこそが太極拳の太極理論たる由縁かもしれません。



このように、ある程度かじっていると、学がある風に装えます(笑)。
もちろん、東洋思想の精髄でもありますから、達人になればなるほど
有用になると思います。ただの武術、ツールとしてではなく、それらがあることに
よって精神性、ひいては宇宙観に関わっていくのだと思います。


軍隊ならいざしらず、精神性を失った武術は、現代では
社会保安上の潜在的な懸念にしかなりません。






さてさて、小難しいことはともかく、マークとしては実に秀逸ですね。
分かりやすい。なんとなくイメージしやすい。道着にこのマークをつけておけば、
とりあえず太極拳っぽく見えます。オリエンタリズムもたっぷりです。


案外、そのあたりから命名したのかもしれませんねぇ。


いずれにしろ知らないよりは知っていた方が良いのは間違いないでしょう。
当会でも講師を目指す人たちにはある程度知ってもらっておいた方が
よろしいので、またテキストなり何なり作らないといけません。