トップ画像

トップ画像
中央式太極拳は南京中央国術館副館長【陳冸嶺老師】により編纂された南京中央国術館正宗太極拳
を起源とする、古式総合太極拳です。
気の武術の奥義は、これ即ち 健康長寿の奥義。
今日、太極拳の医学的健康効果は多くの医学論文で実証されてます。
先ずは気を感じる事から始め、自身の免疫力、自然治癒力を高めましょう。

2015年5月29日金曜日

八卦掌-02


八卦掌が日本に初めて公式にもたらしたのは王樹金老師です。台湾政府からの文化特使としての来日でした。そして、中国武術研究家の松田隆智による紹介も大きいでしょう。
3年ほど前でしたか、「一代宗師(邦題 グランドマスター)」が上映された時、ちょっとだけ話題になったような記憶もあります。


チャン・ツィイー 舞台裏

こういう服装で事もなげにやるので余計にかっこいいですね。




八卦掌は、見た目の特徴として拳ではなく掌による攻防を主として、「走圏」という独特の功夫を積むのが大きな特徴ですね。そして「八卦掌」は清代末の「董海川 (?~1882)」の創始なのですが、そのままのモノが残っておりません。既に二代目の時点でかなりバラバラになっております。


元々、他の武術を学んでいる人間が八卦掌で自分の武術を高度に高めるための要素になり、また 董海川もそうした傾向にあります。極端な話、先生によって異なるとも言えます。現在では他の武術を取り込んだ状態になり、初めから八卦掌を学ぶ事も流派によっては可能です。ただ、どんな八卦掌流派であっても基本の単換掌と走圏は、おおよその部分で共通しているところが多いですね。



八卦掌は動作に対称性を持たせることによって、それぞれの相対的意義を理解できるようにっていると思います。左と右、高いと低い、前と後ろ等々・・・。八卦掌はその対称性故に、功夫が深まると美しい動作が生まれてきます。

映画「グランドマスター」では、映像美として拳法の闘いを描いているのが特徴だと思います。八卦掌の特徴を上手く映像化していますね。ストーリーの内容や展開は「・・・??」らしいですが、映像だけでも見ておく価値はあるでしょう。


さて、肝心の八卦掌の内容ですが、一見すると舞っているような優美な印象を受けますが、その実はなかなか鋭いトゲを持ちます。優雅な掌の一閃々々が必殺の威力を持つ、やはりこういうところが魅力的なのでしょうね。女性が八卦掌をやると際立ちますね。
とにかく身体の要所を捻転しますので、呼吸法と合わせるとシェイプアップにも最適です。



李老師の八卦掌は独特のリズム感と躍動感があり、見ていて非常に素晴らしいです。

ただ、太極拳以上に見た目の動きに「騙される」ので手先の動きになりがちです。
形意拳は呼吸やタイミングなどがシビアなので出来なければできないと明確なのですが、八卦掌は何となく雰囲気で流せてしまうコワサがあります。我ながら耳が痛いですが(苦笑)。

基本をしっかり積んだ上での習得になるのが望ましいので、当会では基本からしっかりやっていきます。会員さんの中でも頑張っておられる方もいますね。




晩年の王樹金老師になると、李老師に伺った話と映像から検討した推測では「立てば太極拳、進めば形意拳、回る姿は八卦掌」という感じで、あの体型とも相まって、もはや渾然一体と化した様子ではないかと思います。
 
そういう意味でも太極拳を中心に弊習していく方針となっております。
時に形意拳、時に八卦掌を学び、研究し、また太極拳に戻っていく・・・そんな流れです。
私も昔は形意拳や武器だけでいいじゃないかと思ってましたが、そうではないと感じております。



A先生もT先生もK姐先生も「使っていて便利だな~」というのが共通した感想ですね。





2015年5月25日月曜日

八卦掌

レイアウト変更ついでに軽く動画テスト&八卦掌かんたん紹介。



中国武術「八卦掌」。李老師が日本語でいうと「はけぇしょぅ」。私はこっそり「アハトマスターデ(独逸語www)」とも呼ぶのが好きです。

女性特有のしなやかな身体の動きに適していることもあり、女性が演武をするとたいへんすばらしい武術ですね。太極拳に比べると「伸ばす」「ねじる」「歩く」といったシェイプアップには最適な動きを練習します。特に、歩くのは「走圏」と云いますが、ある意味、「功夫ウォーキング」ですね。



2015年5月24日日曜日

キックボクシング女子

すでに男性のものにあらず。美人モデルがハマるキックボクシング。




「ティアラガール」モデル中心に結成された東京ガールズキックボクシング部


ここしばらくで耳にする機会も増えました。
「ハリウッド女優もエクササイズに取り入れていた!」が宣伝文句で、ボクササイズやキックボクシングにハマる女性が増えているようですね。女性のフィットネスとして注目度が高いようです。


かなりの体力を使うので、カロリー燃焼が激しく、減量効果が高いうえ、筋肉や持久力の向上。
そしてサンドバッグ、ミットなどにパンチ・キックを入れたりする行為が爽快感をもたらしてくれます。

ダイエットにストレス解消に・・・一挙両得ですね。


身体全身引き締まり、引き締まった綺麗な手足
ムダなお肉がなくなる 
シェイプアップ
腰の痛み改善     
運動機能の改善
体力アップ      
持久力の向上
集中力アップ




ローラ、道端アンジェリカ、ダレノガレ明美などのモデル達が熱心で有名ですね。AKB48の小嶋陽菜や元メンバーの篠田麻里子もやっていたようです。他には、モデル・タレントの野形仁美が「キックボクサー」としても活動していますし、元・シンクロ選手の青木愛もキックボクシングを格闘技としてやっています。

道端アンジェリカはキックボクシングのDVDも出していますね。
モデルでプロボクサーでもある高野人母美はもともとキックボクシングをしていたそうです。



ダレノガレ明美の迫力キック(外部サイト・動画あり)
http://videotopics.yahoo.co.jp/videolist/official/news_business/pb10a79b14dd0a3c7ffc1865c90acece1


そもそもキックボクシングというのは、
******日本ボクシング協会理事の野口修がムエタイの試合ルールを参考にして考案した、日本発祥の打撃格闘技である。

Wiki「キックボクシング」より

*****
正直、強い格闘技だと思います。ベースが立ち技最強といわれる「ムエタイ」です。距離に無理なく適応できて、攻めと迎撃のカウンターを使い分けられたら太刀打ちできません。練習度によりますが対多数もある程度対応できると思います。型といいますか決められた「フォーム」があり、それを徹底的に覚えた上でのスパーリング。もちろんフィジカルも鍛えます。

キックボクシングは多くの人間が想像し、思い描く「攻防の動き」なので戸惑い無く身体に馴染むでしょう。そして自分の拳脚で殴る・蹴るという人間の本能に根差した行為の延長線上にあるだけに、反射神経と勘がマッチした時は無類の強さを発揮できると考えています。


実際、「ミット打ち」が爽快なのは間違いありませんね。当会でもミットがある時(誰かがたまに持ってくる)にやることがあります。劈拳の動きで上からの打ち降ろしだったり、いわゆるワンインチパンチっぽいことをしたり、脱力して どんなものか体験してもらう時にやります。

姉弟子も(ストレス解消で)蹴りが好きで、ハイからローまで、ミットがある時はもたせてもらってます。ハイキックが一番好き!とか云ってます。
これはたしかに「蹴りたい系女子」が増えるわけだわ・・・・!
余談ですが、今は太極拳的垂直蹴り上げにハマりつつあるようです。



えーと・・・太極拳の出る幕が無い(汗)。
太極拳は・・・・・そうですねぇ・・・・いざという時、逃げるのが上手くなる?かな?

身体の動きも心理的なものも「虚実」を重要視します。


「あっ」 Σ(゜∀゜;)ד

「え?」 ?(`д´ ))
             三三三三 \( ・ω・)ノ       
みたいな感じで、この隙にサッと逃げる。



・・・ひとまず「格闘技」と「武術」の違いということで「逃げ」させていただきます。

||・ω・)

||彡サッ


 冗談はさておいて、このようにフィットネスや格闘技、武術などの情報も集めつつ、日々のメニューや指導方法に工夫を怠っていないことを宣伝しようと書いていたらキック推しの内容になってしまいました。たしかに手足の長いモデルがキックボクシングをやっている姿は画になります。
憧れる未来の姿がそこにあるのですからね。そして、ハードなイメージとは裏腹に楽しさ・爽快さが勝るのはいうまでもありません。サンドバッグ1分連打は「たのし~」と臨めても、10分の太極拳の基本練習は「くるし~」・・・。




しかし、太極拳をひいき目で比較させてもらいますと、

・身体全身引き締まり、引き締まった綺麗な手足
 キックやジョギングに比べると、どうしても時間がかかるでしょう。
どちらかというとインナーマッスルから着手するためです。

・ムダなお肉がなくなる 
同上ですね。

・シェイプアップ
これも同上ですが、ただ、大胸筋や大腿四頭筋などを極力使わないようにするので、逆に普段使わない筋肉が目覚めてきます。 偏りのないバランスの取れたシェイプになるでしょう。



・腰の痛み改善     
地味ながらたくさんメニューがございます。


・運動機能の改善
「最小入力で最大出力」を目指すのが基礎鍛錬でございます。

・体力アップ      
これも表面化するのは遅めでしょうか。

・持久力の向上
 同上ですが、気力的なもの・生命力的なものはわりと早いうちから向上します。
 会員さんの話などによると年齢を問いません。

・集中力アップ
これはおおよその身体を動かすことに必要なので、言うまでもありません。
さらに太極拳では、ちょっと難しくいいますと禅や丹田、目付、姿勢などで「無為」の集中力を目指します。



あるいは、キックボクシング、ジョギングなどでハードなトレーニングをやりつつ、太極拳やヨガなどで心身のバランスの調整やケアを図るということもできますね。


昨今はこのように選択肢が多く、それでいて内容があまりいい加減でなく、様々なライフスタイルと志向に応じたものに手軽に取り組めるのは良い事だと思います。





2015年5月22日金曜日

小満


春過ぎて  夏来にけらし  白妙の衣干すてふ  天の香具山

持統天皇(新古今和歌集 夏歌)








暦の上ではすでに夏です。
これから秋に向けて、身体とともに「氣」の質や量を大きく引き上げて開花を目指すには、とてもよい時期です。タイトルに「小満」とありますが、21日がその日でした。二十四節気のひとつで「万物が次第に成長して、一定の大きさに達して来るころ。麦畑が緑黄色に色づき始める」とあります。




・・・麦畑ってあまり見た記憶がありません。


今日は補助教材としての身体のポイント図を配布しました。百会・会陰・丹田(気海)・ダン中・命門といった基本の箇所と名称を覚えてもらうためです。指摘する際にも用語として出てきますし、これらの箇所をある程度でも意識できれば練習の助けにもなります。


初心チームも着実にステップアップしていますし、これからが楽しみです。最初は套路についてくるだけでも大変かもしれませんが、見よう見まねでも「立ち方」と「丹田」さえしっかりしてくれば大丈夫です。やはりなんといっても足腰の充実こそが武術と気功・健康法の要です。




全員で套路の後は攬雀尾を復習し、その後、私も姉弟子と「指取り」(指をにぎってもらってやる簡単な遊び推手)をやりましたが、かなりやられてしまいました。師範の助言で多少は長持ちするようになりましたけど、まだまだです(汗)。
師範の「気のそらし」やT先生の「目力」など、今日はわいわいと遊びながら対練的な練習が多かったですね。別にできなくてもいいんです。今この体験が大事ですね。















2015年5月18日月曜日

研修会

今日は午前中に演武会などの打ち合わせで、午後からは講師の研修会でした。

李鴻儒老師が取り上げたテーマは「腎」です。
冬は腎の活動が活発になりますが、冬が終わり春を過ぎ、そして初夏になりました。
腎もすっかり弱っている頃です。




「腎」は現代医学では「腎臓」に該当します。
その 「腎」は精を蔵し、生命力の源である「原気(元気)」をもたらします。
精は生命力と成長と生殖力の根源で、この精が腎により活性化されたものが「原気」です。

「腎臓」としては、体内の水分を一定しに、血圧や浸透圧をコントロールします。また、ホルモンも分泌します。臓器としては、身体の健康状態の方向性を間接的に決定づけます。

ここが弱ってしまうと、精力が衰えたり、気力がなくなってしまったり、老けて見えたり、たいへんよろしくありません。


軽く単操(素振り)をしてから「立禅」に。特に腎や背中を中心とした型です。

先生方も姿勢が調整できたとか、首が通ったとか、いろいろ効果的だったようでみなさん興味深い感じでしたね。私も腎のあたりがソフトに通るようになった感じがあります。
締めでは丹道の「座禅」です。 自己のうちに気を求める、それだけです。


その後は各自で意見交換や質疑応答で過ごしました。


私は攬雀尾の「採」の教授法を検討させてもらいました。

他には、ひさしぶりに李老師に技の手ほどきを受けましたが以前にもまして独特の重くて弾力のある感触は流石です。文字通りの「老いて益々盛ん」ですね。



「腎」の大切さはもはや言うまでもありません。内臓疾患だけでなく、腰痛などとも関わりがあるとも云われることも多いです。T先生は今日の研修会で学んだことで結石を落としてみるとおっしゃってます。


怠りなく養生を心がけましょう。
生命というと無限大に健康でありたいと思う気持ちがあるかもしれません。
しかし、生命は「秩序」であり、健康は秩序を保った結果にすぎません。
これもまた「中庸」ですね。







たこぼうず最中


T先生のお土産です。めずらしい「蛸型」の最中で、ボリュームたっぷり。ごちそうさまでした!




2015年5月13日水曜日

〇熱中症に注意! 

<熱中症>5月も注意 急な気温上昇、体が追いつかず


5月に入り早くも熱中症とみられる救急搬送者が相次いでいる。総務省消防庁によると、5月10日までの2週間に全国で891人に上る。九州・山口でも同期間中、100人(いずれも速報値)に達した。消防庁は例年より調査開始時期を前倒ししており「初夏は急に気温が高くなり、体が暑さに追いつかない」と注意を呼びかけている


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150513-00000053-mai-soci




***********


YAHOOニュースでも熱中症の注意を促すニュースがでてました。
台風が過ぎると、今回は急激にカラッと高気温になるパターンですね。とくに今は要注意。


気圧もググッと低くなって、また高くなってます。気温、湿度、気圧etc・・・こういう変化が
身体には大きな負担をもたらします。それだけで熱中症になってしまう可能性が
高くなってしまいます。


日頃から太極拳をしていても「大丈夫!」ということはありませんが、
より敏感に身体の異変の「兆し」を感じ取れると思います。



熱中症は「気が付く頃にはもう遅い」パターンがほとんどです。




熱中症は室内であっても、空調が利いていても対策を怠れば起こります。
そして、倒れなくてもダメージは蓄積します。
(体調がすぐれないまま、飲みに行ったり睡眠不足が重なったりで、身体が回復しきれない)




特に仕事中は忙しさに押されてしまってケアが後手に回ってしまいます。そして、そういったケアに対して理解のある人はまだまだ少ないとは思いますが、何とか隙を見つけて自分の身体をいたわってあげてください。疲労やしんどさを感じる一歩手前を心がけて、細かく、水分・ミネラル等を補給してください。喉が渇いていなくても、です。








労働安全や能率、健康リスクを考えると、こういうケアは職場環境において大事なことなんですが・・・・「健康の配慮」がサボリみたいに受け取られてしまう風潮はなかなか改まりませんね。



〇熱中症に注意! 

<熱中症>5月も注意 急な気温上昇、体が追いつかず


5月に入り早くも熱中症とみられる救急搬送者が相次いでいる。総務省消防庁によると、5月10日までの2週間に全国で891人に上る。九州・山口でも同期間中、100人(いずれも速報値)に達した。消防庁は例年より調査開始時期を前倒ししており「初夏は急に気温が高くなり、体が暑さに追いつかない」と注意を呼びかけている


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150513-00000053-mai-soci




***********


YAHOOニュースでも熱中症の注意を促すニュースがでてました。
台風が過ぎると、今回は急激にカラッと高気温になるパターンですね。とくに今は要注意。


気圧もググッと低くなって、また高くなってます。気温、湿度、気圧etc・・・こういう変化が
身体には大きな負担をもたらします。それだけで熱中症になってしまう可能性が
高くなってしまいます。


日頃から太極拳をしていても「大丈夫!」ということはありませんが、
より敏感に身体の異変の「兆し」を感じ取れると思います。



熱中症は「気が付く頃にはもう遅い」パターンがほとんどです。




熱中症は室内であっても、空調が利いていても対策を怠れば起こります。
そして、倒れなくてもダメージは蓄積します。
(体調がすぐれないまま、飲みに行ったり睡眠不足が重なったりで、身体が回復しきれない)




特に仕事中は忙しさに押されてしまってケアが後手に回ってしまいます。そして、そういったケアに対して理解のある人はまだまだ少ないとは思いますが、何とか隙を見つけて自分の身体をいたわってあげてください。疲労やしんどさを感じる一歩手前を心がけて、細かく、水分・ミネラル等を補給してください。喉が渇いていなくても、です。








労働安全や能率、健康リスクを考えると、こういうケアは職場環境において大事なことなんですが・・・・「健康の配慮」がサボリみたいに受け取られてしまう風潮はなかなか改まりませんね。



2015年5月11日月曜日

太極拳と膝(ひざ) 

「膝」。
その重要性はことさらに云うまでもありません。


************
スポーツでの「ひざ」


  • 膝は体重を支える重要な部位だが、負傷するケースも多い。膝が伸びた状態で正面からの衝撃に弱く、体重が過度に重いと膝に負担がかかり障害を起こす。半月板や前十字靭帯の負傷、傷害のケースは多く、腰に次いで直立二足歩行の弊害を大きく受けている箇所である。

  • また、横に捻る動作に全く対応していない。格闘技で使用される関節技でヒールホールドというかかとをひねる技があるが、この技は膝靭帯を破壊する危険な技である。

  • その反面、曲げた状態で体重を乗せる膝蹴りは膝という鋭利な部位を有効に使えるため重くて硬く、使用頻度が高い。



  • 「膝」-Wikipediaより抜粋


    ************


    上記にもありますように、膝は「横に捻る動作に全く対応していない。」のです。初級者ばかりではありません。中級者であっても、ついつい膝から捻る動作に入ってしまいます。また、膝に体重が乗ってしまうような歩き方をしてしまっていることもあります。これらが重なると膝に大ダメージが来てしまいます。


    ウォーキングやジョギングなども健康的でたいへんよろしいのですが、膝をいたわることの重要性もよく説かれています。アスファルトの上を走るのであれば、30分ごとに休憩を取ったり、ストレッチを行う事で関節軟骨の負担を減らす事を意識する、などです。






    さて、練習中でも時折「膝が痛い」という声が上がります。
    姿勢などをチェックしたり、アドバイスしたりするのですが、外部が如何に手を尽くそうと結果的には『身体の使い方が悪い』という結論になってしまうのです。
    (外科的要因によるもの等はその限りではありません)


    仮に一から十まで姿勢や重心などを正しく物理的に調整してあげても、右を見て左を見ればもう元の「自分」に戻っています。整えてあげた形が一瞬で崩れてしまうのです。それだけ普段の身体の使い方の癖は強いのです。まるで突き放すような言い方ですが、誰も代わってあげられない「自分の身体」の運動失調は、他の誰でもない自分自身で調整しないといけないのです。骨格、筋肉といった組織から神経系、備わっている身体能力など、誰一人として同じ人はいないのですから。


    どうすれば痛くないか、動けるか、自分の身体を感じて、調整を重ねて模索していくのです。一方で、膝が痛いからと云って「膝」だけに捉われていては解決は遠くなります。足首、股関節、脇腹、肩甲骨、首、重心の位置や目線、足の裏など、たくさんの部分を見直して調整します。
    文章で書いてしまうと大変そうに見えてしまいますが、考える必要はなく、落ち着いて自分の身体を感じていけば、自ずと「道」が見えてきます・・・・・人によっては「蓄積・段階型」だったり、「閃き・気づき型」だったり、丁寧にコツコツやっていればたどり着けるでしょう。









    太極拳はいわゆる「武術」に基づく身体操作であり、そういう点においても自分の身体に負担をかけるものではありません。ただ、人間が生まれ持った動きではないので、「武術」としての基本の動き・立ち方をしっかりと習得する必要があります。
    それだったら覚えの良い若い時にやっておけば・・・・と思ったかもしれない人、そうではありません。太極拳はとりわけ「ゆっくり丁寧に」が求められるので、むしろある程度年を経た人の方が向いています。エネルギーがありあまっている若い人だと、とてもじっくりやっていられません。




    話を戻しますが、基本がしっかりできていないと、太極拳のより高度な動きができないのは当然、膝だけでなく、腰や首などを痛めてしまうこともあります。
    このあたりは「バレエ」なども同様かと思います。バレエでは、「バレエ」の動きの基本を徹底させます。どんな動きであっても基本から逸脱することはありません。どれだけ上達しても必ずバーレッスンでチェックします。




    太極拳も、実は基本鍛錬で動きをチェックしたりしています。いちばん分かってしまうのが「恐怖の脚上げ後ろペンギン歩き(通称)」ですね。






    太極拳の基本さえ身につければ、おおらかに動くこと、動けることがとても楽しくなってくると思います。ただ、どうしても型をきれいに演舞することに目が行ってしまいがちです。しかし、どんな植物も水をやったり土を手入れしてやったりしないと美しい花を咲かせたり美味しい果実を実らせないように、しっかりした土台を培うことでようやく演舞がうつくしくなっていくのです。






































    2015年5月9日土曜日

    あのときの型 このときの型

    いきなり変な話ですが、当会は講師によって教える型が若干異なる時があります。
    李老師の型も、30年前、10年前、半年前と今で異なります。


    手型、手先の角度、過渡式(形から形への動き)etc・・・。



    こう書いてしまうと「そちらの会では統一された型がないのですね?」
    ・・・と思われてしまうかもしれません。
    実際、会員さんによっては「あの先生はこういった」「この時ああいった」といったこともありますので。




    なぜそのようなことが起きるのか。
    戸惑うだけじゃないか?と思われるのも無理からぬことでしょう。



    それは型の変更ではありません。変化です。
    応用であったり、解釈であったり、変化の研究であったりの結果で、
    時に基本に立ち返ったり、時に他流派を参考にしたり、時に古の理論をひも解いてみたり・・・。
    陰陽五行に通じる李鴻儒老師の気付きや講師陣の日々の研鑽・研究の成果であります。
    そして、さまざまな可能性や応用、ヒントを教えてもらえる良い機会なのです。








    また、指導員たちやベテランがまったく戸惑うことなく素直に教えを受けているのは
    共通している「約束事」があるからです。
    約束事とは「変わらない部分」です。


    月が昇り、沈むことは変わりません。ただ、月は常に変化しております。
    三日月もあれば満月もある。そういうことです。




    約束事ですが、ひとつは、三体式の立ち方。
    ひとつは、物理的なこと(丹田から動く、身体で動く、最短で動く、無駄な動作はしないetc)を
    守っているからです。
    ひとつは、八卦掌や形意拳の基礎です。
    この約束事を身に沁みこませるために、当会では基本を重要視しています。

    余談ですが、古い会員さんだと、昔の李老師の型を覚えている方もおられて、私も比較したり参考にしたりすることがあります。




    また、段階や状況によって教え方を簡略化し、時にエッセンスのみとすることも多々あります。
    まず大まかな流れを覚えて欲しい、あるいは左右の手の動的バランスを感じて欲しい、など
    その場で何を優先するかで異なってきます。
    もちろん、これはどういう目的で云々・・・と付け加えますが。


    余談ですが、以前、高齢者が多い教室で李老師が(言葉の大変さもあるので教えるのに苦慮したのか)
    びっくりするほど一部の型を簡略化して教えてしまったこともありました。

    後にその教室に行く機会があり、理屈としては間違っていないけれどと思いながら、
    私が「それはおかしいですよ(汗)」というと「李老師から教わった云々・・・」と
    こちらも説明に大変だった思い出があります(笑)。


    2015年5月7日木曜日

    声とタイミング

    私は趣味でダンスのスタジオにも行くことがあるのですが、
    たまたまそのクラスで、チーフ先生の教える合間にアシスタント先生が
    ストレッチやコンビネーションを教えてました。

    特にストレッチはいつもの先生と一言一句ほとんど違いません。
    でも、この感じ方の「差」。
    同じ人間などいないのですから違って当たり前なのですが、
    なんかこう、ノってこないんですよね。


    他のクラスのベテランの先生とも決定的に違うのは何だろうか?
    練習をおろそかにするわけにもいきませんのでとりあえず考えるのはやめてました。
    しかし、この違いが気になりましたね。


    まず、いちばん違うのが「声」。
    ベテラン先生に比べて薄いというか、あまり通らず、響いてこない。
    ベテラン先生の場合はごく自然に耳に入ってくるのですが、
    アシスタント先生の場合は、なんかこう、意図的に聞き取らないといけない。
    決して声が小さいという訳ではなく、ちょっと大きめに喋ってるな~という感じは
    あるのです。でも、何が違う??

    あと、ちょっとテンポが速かったように思います。
    考える以上にゆっくりしゃべらないとついつい早口になるというのは
    よく云われることなので、演武会の司会では相当ゆ~っっくり喋るように心掛けています。

    ああいった司会は一方通行なので、そういう意味では楽です。
    (本業の人は上手くアドリブを入れたり、客をいじったりもできるんでしょうけど)
    教えるときは生徒との双方向的なやりとりなので、ゆっくりしゃべるのはかなり難しい。


    声のタイミングも全体的に早めだったかな?
    「あ、やべ」みたいにちょっと急いで切り上げる時もありました。
    そうそう。タイミングと云うより、声と声の、動作と動作の「間」の取り方ですね。


    もっとも、私がその先生のクラスで長いのでテンポやタイミング、内容などに
    慣れ切っているため余計に差異を感じてしまうことは否めませんけどね。




    これはなかなか考えさせられます。
    私も毎回あれこれ考えながらなので。

    先週は余技のボールペン手裏剣を他の会員さんに教えて、
    割と短い時間で刺さった時は私の方が喜んでました(笑)。
    これは会員さんがダルマ気功スワイショウをやってくれていたおかげです。
    腕の振りに力みが少なかったので。



    声のテンポ、喋り方、初心者への気の配り方、
    教える中でのリズム、流れ、仕切り、時間配分etc・・・。


    教える側の基本的な姿勢や全体的な仕切りなど、
    私も含めて当会の新人講師陣への研修課題になりそうですね。


     

    2015年5月3日日曜日

    なんば教室の練習メニュー

    〇なんば教室の練習メニュー(2015.5現在)
    基本動作と身体作りを中心に、気功や套路を段階的に習得していくことを目指しています。


    暗記的に型を「覚える」ことも大事ですが、身体や動き方の仕組みを変えていくことが
    主眼となりますので、体験や積み重ねで沁みこむように習い覚えていくことを大事にします。


    李老師や師範達の研究、進歩により、メニューや指導内容は徐々に、
    あるいは微妙に変わっていきます。これがなくなる代わりに新しい練習法が
    加わるなど、講師陣の日々の研鑽のもとに構成されています。







    01:予備功(準備運動も兼ねる):ダルマ気功スワイショウ 
    気功としても、また太極拳としても基本力を養成できます。


    形自体は類似したものがありますが、李鴻儒老師や師範たちによって
    さらに改良と工夫を重ねた気功法です。
    健康や美容はもちろんのこと、体質改善、身体鍛錬として、
    自宅でもできる手軽さが最大の特長。


    簡単・シンプルなので初めての人でも安心して取り組めます。
    上級者には練功法としても応用・発展できます。








    02:基本功(基礎鍛錬):小仙鶴歩、大仙鶴歩、立禅など
    外丹功や太極拳の基本鍛錬を取り入れたカリキュラムです。
    初心者には、今まで使っていなかった体幹の部位や深層筋を目覚めさせることに
    効果があり、中級者以上では気功・鍛錬法として取り組むことができます。
    気功、太極拳だけでなく、形意拳、八卦掌の基礎も含んでいます。






    03:套路:中央式太極拳 全套路
    九十九の太極拳套路を全員で通してやります。
    目安として套路の名称ガイダンスの音楽を流しております。


    初心者の人は見ながらついていくだけでも大変! と思ってしまうかもしれません。
    でも、大事なのは手先の動きではなく、「立ち方」なのです。
    「立ち方」を最初に心がけてもらうのが上達の近道です。
    それだけでも十分な練習になります。当流儀の立ち方は8割以上が同じ形です。









    04:ピックアップ、対練実技、套路復習etc(その時々で割合や内容は変わります)
    太極拳套路を終えて、師範が見て注意すべき点や改善点、用法などを見直します。
    姿勢、目線、応用例、時に八卦掌&形意拳的変化など、皆で注意点を共有して学習します。

    また、対練実技あるいは型の用法例として、お互いに技を掛け合います。
    実戦というよりはレクリエーション的な気軽な練習です。
    型の理解を助ける、お互いに生じる対人緊張を解す、どれだけ無駄な力が
    抜けているか図る・・・といった目的があります。

    初心者には進度に応じて套路の復習、新しい型の学習など。
    中級、上級者には形意拳、八卦掌の基本型などの学習など。



    ※合間に必ず小休憩を挟みます。体調不良の場合はすぐに休憩してもらって大丈夫です。
    ※時と場合の必要性に応じて、メニューの内容や割合が変わることがあります。
    ※李老師が来られた場合、すべての内容を変更することがあります。




    〇余談


    「武を求める人は健康を、健康を求める人は武を」。
    というように、ひとつの考えや目的に固執してしまう、希求しすぎてしまうことは
    かえってマイナスになります。


    やはり「太極」拳というように、表と裏、上と下、重いと軽い、呼気と吸気・・・といった
    相対的な要素をもって、かつそれらをバランスよく動かし交合することが肝要です。
    「私は健康目的だからコレでいい」「相手を打つのに健康法は不要」では
    もったいないです。
    「武医同源」というように武と養生法の二つをもってバランスよく進んでいくことが、
    一見回り道や余計なことに思えても、結果的にそれらは良い回答に結び付きます。





    教室見学や体験レッスンご希望の方は、「掲示板」に直接書きこんで
    いただければOKです。
    なんばの生涯学習センターにチラシも置かせてもらっております。

    あるいは、
    hasselti@jt5.so-net.ne.jp
    橋本までお申し込みください。




    2015年5月2日土曜日

    太極拳はなんで「太極」

    会員さんから「何で太極拳というんですか?」と質問を受けたことがあります。


    お恥ずかしい話・・・・・・これがスマートに答えられない( ;´・ω・)

    たとえば、易学の教室で李老師や姉弟子、クラスメイトの人たちと今更「太極」に
    ついて議論することはほとんどないです。ひとつの「共通認識」としてお互いに
    共有しているので、突っ込んで解説することもありません。
    「アレは五行の関係性で・・・」「太極図のうんぬんかんぬん」とだけで済みます。


    そして、法則性だとか、方程式みたいな約束事はしっかり覚えていますが、
    いざ説明しようとなると、情報と知識の整理から始めることになります。
    なので、戸惑ってしまいます。全く知らない人に対する説明がたいへん難しい。
    「・・・・・だからまぁ、そーゆーこと」みたいに締めくくってしまいます(笑)。




    では、太極理論等を知らなければ太極拳はできないか?ということは全然ありません。
    別に知らなくても太極拳は十分できます。太極拳といっても、
    やはり物理学心理学人間工学解剖学etc・・・が先立ちます。
    そこまでオカルトなものでもありません。




    ざっくりと書いてしまえば、おおよその古流武術に宗教的・哲学的な
    思想が付随します。剣術と禅、合気道と古神道、少林拳と仏教etc・・・。
    陳一族の武術だったものに、太極思想などの中国伝統哲学
    (中国には西洋哲学的なものはありません)が
    合わさったもの・・・と書いてしまうのは少々乱暴でしょうか。




    さて、 『太極』と言う言葉の語源は《易伝・係辞上》から来たものです。
    一般的には道教のイメージが強いかもしれませんが、道教より原初である
    「易経」に由来します。


    「易有太極」 (易に太極あり)。




    そして、太極図の正式な名称は「陰陽魚白黒太極図」と云い、
    よくある白黒だけの「太極図」は簡略化された図案です。
    その白黒の勾玉が合わさったような部分は陰陽魚と云います。
    太極図は、陰陽魚の外側には八卦方図、もしくは八卦円図を配置してこそのもので、
    白黒マークだけでは、正確に言えば太極図ではありません。




    中央の白と黒を分ける線は「中道」です。
    白黒の部分よりも重要視するのはこちらでしょう。常に陰と陽は変化するものであり、
    その変化の中で陰と陽の配分が等分に近くなるように、自ら動的にバランスを
    とらねばなりません。




    陰と陽と、そして中。これこそが太極拳の太極理論たる由縁かもしれません。



    このように、ある程度かじっていると、学がある風に装えます(笑)。
    もちろん、東洋思想の精髄でもありますから、達人になればなるほど
    有用になると思います。ただの武術、ツールとしてではなく、それらがあることに
    よって精神性、ひいては宇宙観に関わっていくのだと思います。


    軍隊ならいざしらず、精神性を失った武術は、現代では
    社会保安上の潜在的な懸念にしかなりません。






    さてさて、小難しいことはともかく、マークとしては実に秀逸ですね。
    分かりやすい。なんとなくイメージしやすい。道着にこのマークをつけておけば、
    とりあえず太極拳っぽく見えます。オリエンタリズムもたっぷりです。


    案外、そのあたりから命名したのかもしれませんねぇ。


    いずれにしろ知らないよりは知っていた方が良いのは間違いないでしょう。
    当会でも講師を目指す人たちにはある程度知ってもらっておいた方が
    よろしいので、またテキストなり何なり作らないといけません。